「ナイル殺人事件」(2022年作品)感想 | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

ケネス・ブラナー監督によるアメリカのミステリー映画。出演はケネス・ブラナー、ガル・ガドット、アーミー・ハマー。

 

 

<あらすじ>

 

エジプトにやってきたポアロは、知り合いを通じてリネットとサイモンの結婚式に参加することになった。リネットは多額の資産を相続した資産家で、金に欲のないポアロを信用していた。一方のサイモンは、リネットの友人ジャクリーンの元婚約者であった。サイモンはリネットに大きなイエローダイヤモンドのネックレスを送る。

 

ジャクリーンがサイモンを銃撃する事件が起きたとき、ポアロは熟睡中であった。よく朝目が覚めると、リネットが殺され、ネックレスがなくなっていた。ポアロはさっそく聴取を始める。結婚式の参加者にはそれぞれリネットを殺す動機があった。

 

リネットに人種差別を受けたと主張するサロメの部屋からネックレスが発見される。すかさす、第2の事件が起こる。殺されたのはルイーズ・ブルージェ。リネットの死体の第1発見者で、かつてリネットと婚約していたことがあり、捨てられた経緯があった。

 

ポアロは、結婚式に誘った友人のブークへの尋問を始めた。実は、ブークの母親からの依頼で彼の婚約者がふさわしいかどうかを調べるために雇われたポアロであったが、そのブークの誘いで行動を共にするようになっていたのだ。

 

ブークは、ネックレスを盗んだ犯人だった。彼は、リネットが死んでいるのを発見したが、そのことは誰にも言わず、ネックレスだけ盗んでしまったのだ。理由は、経済的に母親から自立するための資金が欲しかったからだという。彼はまた、ルイーズが誰かを脅迫していたこと、彼を殺した犯人も目撃していた。それを口にしようとした瞬間、彼は銃撃されて死んだ。

 

ポアロの灰色の脳細胞は、犯人に辿り着いた。それはサイモンであった。サイモンはやはりジャクリーンを愛していたが、リネットの財産目当てにジャクリーンと共謀、犯行に及んだのだ。最後にふたりは心中して果てた。

 

<雑感>

 

原作はアガサ・クリスティー。ハヤカワミステリ文庫の赤い背表紙が懐かしい。「メソポタミアの殺人」などと並んで中近東を舞台にした作品だ。「ナイル殺人事件」は、すべての登場人物に殺人の動機があり、推理するのが面白すぎて、最後の謎解きのところを読むjのが惜しくなるようなタイプの原作だ。

 

映画もそんなに悪いとは思わないが、なんかアメリカ的でオレの頭の中にある「ナイル殺人事件」と噛み合わなかった。ポアロもイメージと全然違うし、登場人物もポリコレっぽい配役になっている。とにかくこれはアメリカ映画であって、アガサ・クリスティーじゃない。

 

☆3.1。エジプトの描写もまたアメリカっぽい。雰囲気ぶち壊し。