「アルマゲドン・タイム ある日々の肖像」(2022年作品)感想 | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

ジェームズ・グレイ監督によるブラジル・アメリカのドラマ映画。出演はアン・ハサウェイ、ジェレミー・ストロング、アンソニー・ホプキンス。

 

 

<あらすじ>

 

11歳のポール・グラフは、黒人で落第生のジョニーと仲良くなった。ポールの家は中流家庭で、大家族。特に祖父のアーロンとは特に親しくしている。ジョニーの家は貧乏で、生活はほとんど破綻していた。ポールは親の金をくすねては、ジョニーが学校行事に参加できるようにした。

 

ジョニーが知り合いからもらった煙草をふたりで隠れて吸っていると、それはマリファナで大問題になってしまった。ポールの親は激怒して、ジョニーとは付き合うなとポールを殴った。それでもふたりの交流は続いた。アーロンの勧めで、ポールは私立校に転校させられた。

 

伝統ある私立校は白人ばかりだった。ジョニーのことを知られると、ポールは彼が友人だと素直に口にできなかった。アーロンに後悔を告げると、励ましを貰った。しかし、祖父は旅に出ると言い残して死んでしまった。

 

そのころジョニーは、当局により里親に出されようとしていた。それが嫌な彼は逃げ回り、ポールの家の庭に隠れていた。ふたりは学校に忍び込んでコンピューターを盗む。質屋がそれを警察に通報してジョニーは捕まり、ポールも警察に自分のアイデアだと白状する。

 

ところが、ポールの父親が警察に手を回し、ポールは放免された。ジョニーだけが窃盗で捕まり、それからふたりは絶縁関係になった。

 

<雑感>

 

最後に、レーガンが大統領選挙に勝ったところで終わるので、70年代の終わりの話だ。リベラルにとっては地獄の始まりなのかもしれないが、コンサバティブにとってはレーガン、サッチャー、中曽根の時代は世界が安定していて好ましいものであった。

 

この作品は黒人差別問題とユダヤ人差別問題を扱っているが、保守=差別、革新=反差別と単純化して考えるのは大きな間違いだ。ポールが学校で「努力が大切」と教わり、ジョニーの存在によって「努力だけでは問題は解決しない」と保守的な主張を否定している構図になっている。これもおかしい。

 

努力を奨励することと、家庭の問題で努力以前の環境に置かれている子供がいる話は別物だ。なぜリベラル派「自分だけがこの問題を知っている」と勝手に思い込むのか? バカなのか?

 

☆3.0。所詮はリベラルだったな。