「痼 empathy」(2022年作品)感想 | 深層昭和帯

深層昭和帯

映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

酒井日花監督による日本の短編映画。

 

 

<あらすじ>

 

胸にしこりができた。コロコロと皮膚の下で動き、姿がつかめない。カタチや大きさ、色も皮膚で遮られてしまい想像するしかない。しこりは私の体の中で確実に成長し、大きくなっていく。私の養分を横取りされているような、害であるしこりに対して、私は思考する。紙にクレヨンや鉛筆、絵の具を用いることで、手で描くことの身体性を重視した。

 

しこりは、想像上の姿として抽象的に表現し、捉えどころのない感覚の象徴とした。実体験をもとにしている。

 

<雑感>

 

色鉛筆で描かれたアニメ作品。乳癌のようなしこりを発見してからの心の動き、まるで心にもしこりができたかのようなやるせなさを映像化してある。これはなかなか面白かった。

 

☆4.0。大混乱に陥って絶望していく過程が妙に胸に迫ってくる。