「DUNE/デューン 砂の惑星」(2020年作品)感想 | 深層昭和帯

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ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督によアメリカのSF映画。出演はティモシー・シャラメ、レベッカ・ファーガソン、オスカー・アイザック。

 

 

<あらすじ>

 

宇宙へ移民していった人類は、皇帝を中心とした宇宙帝国を形成していた。皇帝は各惑星に大統領を送り込んで宇宙は身分制度によって支配されていたのである。

 

王族アトレイデス家の当主であるレト・アトレイデス公爵は、皇帝より惑星アトラス、通称デューンを統治するよう命令を受けた。アトレイデス家の後継者ポールは、レト公爵、母ジェシカとともにデューンに移住した。

 

デューンは砂の惑星であった。水に乏しく、巨大なサンドワームがいるが、そこで産出される香辛料メランジは宇宙でも貴重なものであった。そのために、デューンを支配する者は宇宙を支配するとまで言われていた。

 

だが、惑星アトラスは、それまでハルコンネン家が支配していた。皇帝の命とはいえ、アトレイデス家がそれを奪う形となるため、戦闘は避けられなかった。レト公爵は先住民フレメン族と提携を模索したが拒否されてしまった。そして予想通り、アトレイデス家の魔の手がハルコンネン家に襲い掛かった。

 

レト公爵は裏切りに遭い、毒殺されてしまう。アトレイデス家と皇帝は裏で結託しており、この機にハルコンネン家を潰してしまおうと画策していたのだ。ポールとジェシカは敵に捕まってしまう。ジェシカの一族には超能力があり、ポールはまだ未熟であったものの、ふたりは能力を使って飛行機の中の敵を倒し、砂漠で来るはずのない救援を待った。

 

皇帝に寝返る家臣が多いなか、忠臣ダンカンだけが彼らを見捨てなかった。ダンカンはレト公爵の死から何が起こったのかをおおよそ把握しており、もはやこの世界に頼るものは先住民フレメン族しかいないと彼らと交渉し、匿ってもらう約束をする。しかし彼らの居住地に辿り着く前にサルダウカーに襲われ命を落としてしまう。

 

フレメン族のカインズ博士は、飛行船でポールとジェシカを居住地に運んだ。そしてポールは、決闘を経てフレメン族の戦士となって、この世界で生きていくことになった。

 

<雑感>

 

DUNE/デューン 砂の惑星」(1984年作品)のリメイク版。こちらの監督は異才デビッド・リンチであったが、膨大なストーリーを1作に詰め込まねばならない制作環境に苦戦、またプロデューサーが独断で起用した歌手のスティングがとんだ大根役者で、プロデューサーの思惑とはかけ離れた作品にしかならなかった。

 

原作既読。ただ読んだのは高校生のときで、古い話なので内容はほぼ忘れてしまっている。1984年版がこの出来だったら狂喜乱舞して喜んでいただろう。「DUNE」「The Foundation」など、高校のときはSFの有名作をたくさん読んだ。というより乱読した。興奮したなぁ。SF心を刺激する物語たちであった。しかもサイバーパンクムーブメントが起こる。

 

そんな時代も早40年前。老害化が進んだいまの感性では、作品の構成など悪い面も目立ったかな。ただでさえ長くて権謀術数渦巻く話なのだから、もっとシンプルに物語の中心線を示すべきだったのでは? CGも素晴らしくはあるが、SFX時代よりどこかチャチに見えてしまう。

 

☆4.0。こちらの感性が衰えたのか、SFの物語力が衰えたのか、ハリウッドが衰えたのか、満点評価とはならなかった。