「女囚さそり 第41雑居房」(1972年作品)感想 | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

伊藤俊也監督による日本のアクション映画。出演は梶芽衣子、白石加代子、室田日出男。

 



<あらすじ>

刑務所長郷田の目を抉った松島ナミは、石切り場で強制労働させられた。昼は重労働、夜は強姦、ナミの新進は深く傷ついていく。さらなる怒りに燃えたナミは、またしても看守を殺し脱走に成功。そしてナミに対して復讐心を燃やす郷田との争いになった。

裏切りに遭い、女囚らは全滅。ナミも捕まり、郷田の指示で殺される寸前になるものの、再び刑務官を殺して逃走。出世を遂げた郷田を待ち伏せして殺す。

<雑感>

これだけ殺せばナミは凶悪犯として死刑になるところなのにそうはならず、強制労働させられたり、最後に官僚になっていた郷田を殺したり、あくまで権力者が悪くて犯罪者が野放しになっているでしょ。これがまさに70年代に20代で映画の主要な顧客だった団塊の世代が望んでいた作品なんですよ。

彼らは自分らの暴力性を一切顧みず、悪いのは全部権力者だとGHQに教わって野に放たれたので、女を好きなだけ犯せて、権力者が殺される作品なら何でもいいわけ。郷田なんか元々片目なのに、もう片方を抉られて失明寸前にさせられている。そこまでされても本当は囚人をちゃんと扱い、罪と罰のバランスを崩さないように配慮するのが日本の警察。それを理解できないわけ。

常識がないんだよね。だからこういう女の裸がたくさん見られて、権力者が殺される酷い作品を好むわけ。人間じゃないんだよ。

☆2.5。女優さんたちが酷い目に遭わされているので、点数をつけているけど、この映画の観客層を想像するだけで吐き気がする。