「オン・ザ・ミルキー・ロード」(2016年作品)感想 | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

エミール・クストリッツァ監督によるアメリカ・イギリス・セルビアのドラマ映画。出演はエミール・クストリッツァ、モニカ・ベルッチ。

 



<あらすじ>

コスタは村人のミレナの家からミルクを貰い、兵舎に運ぶ仕事をしていた。彼の村の近くは戦場だが、小さいころ親を斬首された彼は感情を失ったように何事も気にしない。ミレナには兄がいて、兄の婚約者がいたが、施設に入れられていた。ミレナは兄のために彼女を救い出す。コスタは美しい花嫁に一目惚れした。だがミレナもまたコスタと結婚したがっていた。

休戦協定が集結して、ミレナの兄が家に戻ってきた。彼の婚約者はコスタに惹かれていたが、ミレナの兄は命の恩人で結婚しないわけにはいかない。連れて逃げてほしい気持ちを見透かすようにミレナがやってきて花嫁を罵る。兄と花嫁の結婚式に合わせ、コスタとミレナも結婚式を挙げることになった。

そんな村に、黒装束の集団が流れ込んで村民を皆殺しにした。コスタはミルクを与えていた蛇に巻き付かれて危うく難を逃れた。ミレナと兄は焼死。花嫁は井戸に隠れていた。逃げるふたりを男たちが追いかける。超常的な運で追ってから逃れるふたり。地雷原に足を踏み入れて逃げようとするが、追い付かれ絶体絶命となる。花嫁は蛇に巻き付かれて動けない。コスタは飼っていたハヤブサに助けてもらった。

コスタはもう大丈夫だと蛇を説得する。だが蛇を振りほどいた瞬間、花嫁は地雷を踏んで死んでしまった。コスタはまた孤独になり、独り花嫁が死んだ場所に岩を運び続ける。

<雑感>

力強い演出の連続で思わず見入ってしまうが、どんな話なのかはよくわからない。元音楽家の男がふたりの女に好かれるが、イギリス人に理不尽に殺されてしまう。男は女に好かれるだけではなく、動物にも好かれる。なんでこういうキャラクター造形になっているのか、まるでわからない。

女性にモテる何かがあるわけじゃない。動物は可愛がっていたが、あの程度のことで恩返しに来るとは思えない。どうも深い部分で納得しかねる。

☆3.4。演出を楽しむ作品なのかもしれない。