「コードギアス 反逆のルルーシュ R2」(2008年作品)第11話~13話 感想 | 深層昭和帯

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監督:谷口悟朗。シリーズ構成:大河内一楼。キャラクター原案:CLAMP。キャラクターデザイン:木村貴宏。制作:サンライズ。



TURN 11・想いの力

歴代皇帝の墓所に追い詰められた黒の騎士団は、カレンを人質に取られ、絶体絶命のピンチに陥った。単騎出撃したゼロは、そこで大宦官たちの本心を聞き出した。彼らは民のことなど何も考えてはいなかった。それを全中華連邦内に放送したことで中華連邦の人民は放棄した。人心の離れた大宦官をシュナイゼルは見捨てた。これによって窮地を脱したゼロは、カレン捜索の指示を出してアッシュフォード学園に戻った。そこにはナイトオブラウンズが入学していた。

TURN 12・ラブアタック !

ルルーシュが中華連邦に出張している間に影武者として働いていた篠崎咲世子。彼女は人間関係を円滑にするためにと100人を超える女性とデートの約束を交わしてしまっていた。収拾がつかない状況に頭を悩ませていたとき、生徒会長のミレイ・アッシュフォードが自分の卒業イベントとして帽子を奪った者に交際のチャンスが与えられるイベントを開催すると言い出した。作戦はあったが結局ルルーシュはシャーリーと結ばれた。だがその幸せは束の間だった。ギアスキャンセラーを手に入れたジェレミア・ゴットバルトによってシャーリーは父を殺したゼロがルルーシュであることを思い出してしまった。

TURN 13・過去からの刺客

記憶を蘇らせたシャーリーはスザクとルルーシュを池袋へ呼び出した。彼女は過去に決着をつけ、すべてを思い出してもなおルルーシュを好きでいようと決心した。彼女の決心を喜ばなかったのはロロであった。彼はシャーリーの口からナナリーの名前が出たことに腹を立てて、シャーリーを人知れず殺した。そのころルルーシュはジェレミア卿に追い立てられていたが、彼が機械の身体であることを逆手にとって動きを封じた。だがジェレミア卿の目的はルルーシュを殺すことではなかった。彼はかつてマリアンヌ・ヴィ・ブリタニアの護衛を務めていたことがあり、彼女が殺された現場にもいた人物だった。彼はルルーシュのために働く騎士であったのだ。こうしてルルーシュは、ギアスキャンセラーを持つジェレミア卿というカードを手に入れた。またギアスの秘密を探るコーネリア・リ・ブリタニアもまたブリタニア皇帝の秘密に近づきつつあった。

<雑感>

ノブレス・オブリージュとは高貴な立場には義務が伴うとか、その立場を維持するために果たすべく義務を背負うことで、現在では社会的責任を負うことくらいの意味で使われている。

領土に君臨する者は、領土を防衛保全管理する義務を負う考えが根底にあり、これがのちに防衛義務を負った者が参政権を得ることの根拠になった。王や貴族は領土の防衛任務を負っており、参政権がある。領民は徴用されるが給与が払われているので雇用関係と見做されて参政権は与えられなかった。

政治はあくまで領土の防衛に責任を持ち、自ら出征する人間のものだった。

この考えが大きく変わったのはフランス革命後に徴兵制度が採用されてからであった。徴兵によって国民男子全員が国土の防衛義務を負ったことで、庶民は参政権を得た。最初は戦争に参加する男子だけであったが、女子は男子を産む存在なのになぜ参政権がないのかという理屈で国民全員が参政権を得ることになった。

参政権は自然権ではないし、納税の義務の対価でもない。あくまで国土防衛義務の対価なのだ。国土を守ろうとしない者に参政権を与える必要はない。ちなみに納税義務の対価は法によって守られる権利である。納税義務を負っている者はすべからく遵法の下で生活を営める。これは権利である。

自然権などというものはこの世に何ひとつとして存在しない。「黒人が優遇される自然権」などどこにもないし、「ニートが他人を見下す自然権」もない。