「信長の忍び~伊勢・金ヶ崎篇~」(2017年春夏作品)第31話 感想 | 深層昭和帯

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劇中ではずっと攻め立てていたようにあったが、将軍御所を襲った三好三人衆と斎藤龍興は、攻めきれないとわかるとその夜はいったん引き返している。どう考えてもこれが敗因。



奇襲をかけた方が夜になったからと攻めるのをやめれば、奇襲を受けた方は当然徹夜で援軍要請などに奔走し、態勢を整えるに決まっている。まったく何を考えていたのか分からない奇襲だった。

六条合戦に持ち込んだのもおかしな話で、将軍暗殺が目的ならば呑気に場所を移して合戦などやらず、ひたすら足利義昭を狙うべきだったはずだ。桶狭間の戦いで信長が今川義元の首だけを狙って行動したのと大違いだ。勝てると思っていたのだろうか?

奇襲に失敗し夜になったからといったん引き上げ、翌日奇襲の続きをやろうとしたら相手に援軍がいてヤバいと悟って逃げ出すものの追いつかれ、とりあえず自分たちだけ逃げおおせるという三好三人衆。こんな奴らがブイブイ言わせていた段階で畿内の連中の浅はかさが知れる。

それよりすごいのは、大雪の中を岐阜から京都まで2日で走破した信長だ。桶狭間のときも供回りの準備が終わるのを待たずひとりで清須城を出発し、熱田神宮まで馬を飛ばした信長だが、将軍御所急襲の知らせを受けてすぐさま出立し、たった10人ほどとともに足利義昭のところへ駆けつけるフットワークの良さは他の戦国大名には見当たらない行動力だ。

人物の格が全然違うのに、畿内勢はまだしつこく反乱を試み、足利義昭がバカすぎることも相まって、ここから信長試練のときはまだまだ続くことになる。

この頃になると戦力差は圧倒的なのに、何かに憑りつかれたかのように信長に反抗する様を見ていると、斎藤龍興がそこらじゅうで信長の悪口を吹聴して回っていたからではないかと思うのはオレだけだろうか。

東征させている徳川家康の動向もあって、ここからさらに面白くなっていく。