「イコライザー」(2014年作品)感想 | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

アントワーン・フークア監督によるアメリカのアクション映画。主演はデンゼル・ワシントン。

 



<あらすじ>

ホームセンターで働くロバート・マッコールは、知的で誰からも好かれる好人物として通っていた。彼は毎夜お気に入りのダイナーで食事をしながら読書をするのが日課になっていた。

同じ店に同じ時間にやってくるアリーナという女の子がいた。彼女は歌手を目指して活動していたが、その資金を捻出するために売春をしていた。ロバートは彼女が危ない橋を渡ることを危惧していたが、ある日、客と喧嘩をしたことで彼女は酷く殴られ、声帯を傷つけてしまった。

彼女の売春を管理しているのはロシアンマフィアだった。ロバートは彼らのところに赴き、大金を積んでアリーナから手を引いてくれと頼んだ。彼らがそれを拒否すると、ロバートはたぐい稀な戦闘力を見せて、あっという間に5人のマフィアを殺してしまった。

ロバートは元CIAの凄腕エージェントだったのだ。彼はロシアンマフィアに狙われることになった。ロシア人はロバートを探り、ロバートはマフィアを探る展開が続いた。厄介だったのは、現役の刑事がロシアンマフィアに加担していることだった。

ロシアンマフィアは元KGBを派遣してきた。アメリカとロシアの戦闘にプロ同士の戦いは、ロバート・マッコールに軍配が上がった。

アリーナは事件を機にまともな職業に就きながら歌手を目指すことにした。彼は自分の私物の中に大金が入っているのを、ロバートの好意だとは知らず、組織からの手切れ金だと思い込んでいた。

CIAを離れ、普通の職業人として生きていたロバートも、この事件を機に善人のために私的に戦えるイコライザーとしての自覚が芽生えた。

<雑感>

これは面白かった。デンゼル・ワシントンは味があるね。

殺しのプロといういかにもマッチョな作品ではあるが、ロバート・マッコールのキャラクターがよく出来ていて、素直に感情移入できるのが良い点。汚い白人のおっさんが武器を振り回して無双しても面白くもおかしくもないが、読書好きで妻の死をきっかけにCIAから脚を洗った善人が、培ってきた殺しのテクニックを封印するのではなく善いことに使おうと決心するところなどに安心感を覚える。

☆4.0。映画としても、アクションシーンは時間的には少なく、ロバートの落ち着いた雰囲気から一気に片を付けるのも魅力的な点だ。アクションが長すぎるのはダレる。この映画は効果的に動き、鮮血を見せ、すぐに落ち着いた雰囲気に戻るのだ。