「ヤング・オーナーズ Young Land」(1959年作品)感想 | 深層昭和帯

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テッド・テズラフ監督によるアメリカの西部劇映画。出演はパトリック・ウェイン、イヴォンヌ・クレイグ、デニス・ホッパー、ダン・オハーリー。

 



<あらすじ>

1846年、第一メキシコ帝国からアメリカ人開拓者の集団がカリフォルニア共和国の独立を宣言した。その2年後のこと、メキシコ人への悪感情が高まり、アメリカの殺し屋ハットフィール・カーネイはメキシコ人グループを襲撃して殺害、銃もバッジも持たない保安官ジム・エリソンに逮捕された。

複雑な政治事情が絡むなか、エリソンは法律の専門家の協力や地元有力者であるドン・ロベルト・デ・ラ・マドリッドの支援を受けて、裁判に挑んだ。カリフォルニア共和国内にあるメキシコ割譲地で多くのヒスパニック系住民が見守る中、裁判は進行していった。

カーネイは正当防衛を主張。しかし陪審員は彼の態度と仲間たちの態度から嘘だと見抜いて有罪を言い渡した。殺人罪で有罪となれば縛り首である。カーネイの仲間たちは色めき立った。しかし判事は、25年の懲役と、新制度への移行期間であることを考慮して執行猶予をつけた。執行猶予期間中は銃を所持してはいけないとされた。それを破れば直ちに収監される。

ところがならず者で殺し屋のカーネイはその場で銃を奪って逃走した。逮捕義務は保安官にある。だかエリソンは主義として銃を持たない。エリソンは自前のライフルを持ち出してカーネイを殺した。

<雑感>

ライフルは銃じゃないんかいッ! まるで予想外のオチだったわ。銃を持たない主義つーから何かと思えば、ハンドガンを持たない主義のことだった。それで最後は「アメリカの正義は守られた」とか抜かしているんだから呆れる。

西部劇といえばアメリカの白人が呑気にバンバン撃ち合うものだが、この作品はいわゆる法廷もので、カリフォルニア共和国として勝手に独立宣言したアメリカ人が、メキシコ人に対する裁判で法の下の平等を確保できるかどうかが物語の争点になっている。そこは良かった。

最後にデニス・ホッパー演じる悪漢が法を無視して逃げようとするのをちゃんとアメリカ人の手で始末したから「アメリカの正義は守られた」と科白にあるのは理解できる。理解できないのは、ライフルは銃ではないとしている点だ。エリソンは銃を持たないんじゃなかったのかいって。

☆3.5。プロトカルチャーに接したゼントラーディ軍みたいに固まってしまったわ。