フランシス・フォード・コッポラ監督によるアメリカのドラマ映画。出演はアル・パチーノ、ロバート・デュヴァル、ダイアン・キートン。
<あらすじ>
シチリア島コルレオーネ村で生まれたヴィトーは、父と兄をマフィアに殺され、さらに自分も殺されるところを母が自らの死でそれを防ぎ、アメリカへの移民船に乗せられた。英語のできない彼は入管の質問に答えられなかったので、つけていた名札からヴィトー・コルレオーネとなった。彼は9歳だった。
長じたヴィトーは雑貨屋で真面目に働き、結婚した長男のソニーも生まれた。ところがマフィアによって職を追われて犯罪に手を染めるようになる。みかじめ料を要求された彼だったが、単独でマフィアのファヌッチを殺害、嫌われ者を殺した男として地元の隠れた英雄となった。
オリーブオイル輸入事業を行うジェンコ貿易会社を経営する傍ら、街の諍いごとをの調停役を務めるようになった彼は、名実ともにドンと呼ばれる男になっていった。そして故郷シチリアに凱旋すると、家族を殺したドン・チッチオに復讐を果たした。
ヴィトーの息子マイケルは、拠点をニューヨークからネバダ州へ移していた。元の縄張りはフランク・ペンタンジェリに譲っていたが、彼はトラブルを抱えて調停役を頼んできた。するとすかさず襲撃を受けた。犯人は身近な人物。マイケルは義兄の弁護士トム・ヘイゲンにネバダを預け、ロスの家に赴き、犯人をペンタンジェリだと話し、ニューヨークのペンタンジェリ邸に乗り込むと犯人はロスだと逆のことを話した。マイケルはこの揺さぶりを通じて裏切り者を炙り出した。
マイケルはロスの暗殺を指示したが、ロスは生き延びた。これによってマイケルの裏の顔が公聴会で暴かれることになったが、マイケルは子飼いの議員を使って窮地を脱する。一方で堅気時代に結婚した妻のケイが離婚を申し出て、子供を置いて家から追い出された。代わりに妹コニーを和解するものの、非常に徹するマイケルはもはや軍隊時代の英雄ではなくなっていた。
ペンタンジェリとロスはマイケルに殺された。しかし、マイケルは家族の多くを亡くして孤独になっていった。
<雑感>
「ゴッドファーザー PART II」は、マイケルの人生とヴィトーの人生が交互に映画かれており、時系列はバラバラになっている。これは、マフィアのボスとして君臨している姿だけではなく、そこに至る過程や人生の岐路などの共通点を求めながら、家族を守り切ったヴィトーとマイケルの相違点も浮き彫りにする構造なのだ。
これを時系列に沿って再編集したテレビ版が存在しており、日本ではWOWOWで放送された。昨日の昼から観ているのは録画した再編集版の方だ。それをオレが嫁に解説している。若干迷惑そうである。この時系列を揃えた再編集版の感想記事となるとあらすじが途方もなく長くなるので、記事は劇場版に沿っている。
☆5.0。家族を失ったことがすべての始まりであったヴィトーと、徐々に家族を失いつつあるマイケルの苦悩が心にぐっと迫ってくる。長い作品で敬遠されがちであるが、映画好きの若者はプライム特典にあるうちに観ておくべきだろう。