「惑星大戦争」(1977年作品)感想 | 深層昭和帯

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福田純監督による日本の特撮映画。出演は森田健作、浅野ゆう子、宮内洋、沖雅也。

宇宙戦艦轟天と大魔艦の戦闘

<あらすじ>

宇宙ステーション・テラが謎の言葉を残して爆発した。彼らは敵の要塞戦艦大魔艦を見たのだった。対する地球はようやく新造宇宙戦艦轟天を完成させる。轟天は金星で大魔艦と激突、これを成敗したのだった。

<雑感>

この映画は「海底軍艦」(1963年作品)のリメイク作品である。正直言えば、名乗って欲しくない作品だ。

ただ、ギャグ映画としてみれば悪くはない。いや、悪いけども、サメ映画に誰も大きな期待をしないように、特撮ギャグ映画としてこの程度のクオリティならば文句は出ないはずだ。いや、文句はあるけどさ。だってしょうがないじゃん。このころになると邦画はやる気がないし。

「ゴジラ」(1954年作品)以降頑張ってきた東宝特撮映画は、70年代に失墜、もうどうにもならなくなってしまう。代わりにSFなどで頑張り始めたのが角川春樹率いる角川書店(現カドカワ)である。

日本の特撮はメカ・デザインにおいて英国や米国のSF作品に大きく後れを取り、それについて改善しないまま過去の成功体験にしがみついて1977年までこんな映画を撮っていた。英国は予算規模で米国についていけなくなるもののデザインセンスは相変わらず高く、ジェリー・アンダーソンも「地球防衛軍テラホークス」(1983年作品)までは気概を見せている。

日本も80年代の低迷期を経て、平成版の「ゴジラ」や「ガメラ」で一時的に復活するが長続きせず、メカ・デザインは相変わらず悪い。

とはいうものの、映画において「ゴジラ」「ガメラ」を作り、テレビにおいて「ウルトラマン」「仮面ライダー」を作り続けたのだから我々はしぶとい。平成時代はまさに我々おっさん世代が特撮とアニメを盛り立てたが、令和にこれらを継いでくれる人がいるのかどうかはわからない。

☆3.8。もちろん大復活を望んでいる。