「宇宙快速船」(1961年作品)感想 | 深層昭和帯

深層昭和帯

映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

太田浩児監督による日本の特撮映画。出演は千葉真一、松本克平、水上竜子。

 

<あらすじ>

立花真一は子供たちに科学を教える若き宇宙科学者であった。彼が教える子供たちが謎の宇宙船に襲撃された。そのときに突如出現して子供たちを守ったのがアイアンシャープだった。だが子供たちの話を大人たちは信じてくれない。そこで子供たちは現場で証拠物を探した。

子供たちが拾った金属片を分析したところ、大人たちも彼らの言葉を信じるようになった。それは海王星の物質だったのだ。海王星人は地球侵略を開始して国会議事堂を爆破した。彼らの円盤は強力で、地球の兵器では対抗できなかった。

そこに再びアイアンシャープがやってきて海王星人を追い払ってくれた。アイアンシャープである立花真一は科学者の姿に戻ると地球の新兵器を他の科学者とともに組み立て、敵の母艦を一気に殲滅した。

<雑感>

 

特撮ヒーローものである「ナショナルキッド」の劇場版で、役名はアイアンシャープに変更されている。テレビシリーズのスポンサーはナショナルであった。

この作品の価値の85%は千葉真一が主演していることが占めている。千葉真一成分を除くと他は微量成分ばかりといってよい。特撮面でみると良いのは宇宙船のデザインと意外にも上手い合成技術だ。それにテンポの良い編集が合わさって技術的な未熟さを補っている。

また子供たちが勉学熱心で、仲間想いで、素直なのも良い点だ。クソのような人間のクソのような内面描写しかしない1980年以降の邦画とは一線を画している。やはり子供たちはこうでなければいけないし、大人たちは立花真一のようでなくてはならない。

☆5.0。理想を大切にしない大人は大人じゃない。