「エリザベス∞エクスペリメント」(2018年作品)感想 | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

セバスチャン・グティエレス監督によるアメリカのSF恋愛映画。出演はアビー・リー、キアラン・ハインズ、カーラ・グギーノ。

 



<あらすじ>

生物学者でノーベル賞受賞者であるヘンリーは、若いエリザベスという妻を邸宅に招き入れた。ヘンリー博士は特許苦で莫大な財産を得ており、自宅にはクレアとオリバーというふたりの使用人がいた。大きな屋敷を案内されたエリザベスは、ある部屋に入ってはいけないと注意を受けた。

好奇心の強い彼女はその部屋に入ってしまった。装置が並ぶその部屋にいたのは自分自身だった。驚いた彼女は思わず叫び声をあげてしまった。そしてヘンリーに鉈で殺された。クレアとオリバーは死体の処理を手伝ったが、クレアは使用人とは思えない口の利き方でヘンリーをなじった。

ヘンリーは新しいエリザベスを連れてきた。そのエリザベスも注意を受けながら部屋の秘密を知ってしまった。また殺そうとするヘンリー。ところが今度は自分が殺されてしまった。クレアはショックで倒れてしまい、オリバーとエリザベスで死体を始末した。

エリザベスはヘンリーが作ったクローンだった。クローン作りに関して、クレアは彼に協力を依頼されたのだ。胚はヘンリーの妻のもので、6体作られたうち2体は早老で死亡。1体は神経性の記憶障害で処分された。処分したのはヘンリー。彼は研究を断念しようと言い出した。

初めは嫌がっていたものの次第に研究にのめり込んでいたクレアはヘンリーを説得して残り3体に賭けることにした。ヘンリーに殺されたのは4番目の個体。ヘンリーを殺したのが5番目の個体だった。

5番目のエリザベスは、オリバーに屋敷の中に閉じ込められた。盲目にされた彼は研究の秘密を知りたがっていた。すべてはクレアの日記に記されていたが、眼が見えないオリバーには見えなかったのだ。5番目は自分を監禁して脅すオリバーが憎かったが、彼がヘンリーの本当の子供であることを告げると、彼を誘惑して部屋の番号を聞き出し、脚の鎖を外して逃げようとした。

そこに6番目がやってきた。6番目は5番目に銃を突き付けてお前は誰だと尋ねた。混乱する6番目。だが長く閉じ込められて精神を病んでいた5番目はオリバーを鋏で刺して人質にした。その暴力的な態度に恐怖した6番目はオリバーごと5番目を撃った。ふたりは死んだ。

6番目はクレアの日記を読んですべてを悟った。クレアが戻ってきたとき、エリザベスは囚われの屋敷を出て初めて自由になった。

<雑感>

よく出来たクローンものだった。亡き妻のクローンを作ろうとしたが上手くいかず、次を作成するために古いものを処分するマッドサイエンティストというのはよくある題材だが、陳腐な感じはしない。盲目のオリバーが効いているためだろうか。博士が半分くらいで死ぬのも良い点だ。

一方で謎解きは入院したクレアの日記に頼られている。これはちょっと安易かもしれない。だがここでもオリバーが真実を知りたがっていることが話をうまく運ぶ手助けになっていた。

☆4.0。低予算映画でもこれくらい面白ければかなりの高得点になる。