「銀河英雄伝説(旧作)」第91話 感想 | 深層昭和帯

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第91話 発芽



<あらすじ>

ルビンスキーはラングを利用してロイエンタールに謀反の意思を起こさせ、ラインハルトの手で彼を始末させようとしていた。

オーベルシュタインはこの情報をすでに掴んでいたが、ラングをそのまま泳がせて利用するつもりでいた。彼にとってロイエンタールは巨大になりすぎていた。フェザーンにはロイエンタール謀反の噂が立ち込め、それはハイネセンのロイエンタールの元にも届いた。

ノイエラント総督府は情報の真偽を確かめるすべはなかったもののあえて噂通りラインハルトをハイネセンへ招待することで皇帝の反応を探るという決定を下した。彼らはラングとオーベルシュタインによる策謀との見方をしており、ルビンスキーや地球教徒のことは考えていない。

ルビンスキーの企みである皇帝のハイネセン行幸は、招待されるまま行うことがラインハルトによって決定された。噂のことは知れ渡っていたが、皇帝自身がそれに惑わされることを良しとしなかった。随行員も限られ、わずかな手勢で長旅をしなくてはならないこととなった。

ミッターマイヤーはこの件について陰謀に勘づいていたものの、彼もまたラングとオーベルシュタインまでしか犯人像を想像できていなかった。ヤン・ウェンリーが凶刃に倒れたことと同じことが起きることは何としてでも避けたかった。

<雑感>

という話。

ルビンスキーらの策謀によってロイエンタールとラインハルトの関係性に変化が起こる。人間の些細な心の弱さや癖に付け込み利用する人間は組織内部では出世しやすい。しかし組織を大きく発展させることは出来ないのでそういう人間はトップに立つべきではない。

地球教はド・ヴィリエという人間がルビンスキーという手駒を得たことで腐った組織として宇宙に災いの種を撒き散らしている。

醜い人間を描くにしても、知能の高いこうした悪を描けるところもまた作者の魅力のひとつ。