「ラスト サムライ」(2003年作品)感想 | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

エドワード・ズウィック監督による変なサムライ映画。主演はトム・クルーズ。

 



これがなぁ・・・、もうちょっとマシに作ってくれたらよかったのに、明治初頭の設定なのに酷いんだよな。戦国時代じゃないのにって。

これは嫁とまだ付き合ってなかったころにデートで観た作品で、帰りに食事に行ったときにくそみそに貶していたら何となく嫁の方も気になった部分が多かったらしくて意気投合するのに役立った。

良い点は全体の構図が洋風であること。アメリカの南北戦争の油絵のような構図の場面がところどころ挟まって、邦画の絵作りの下手さ、そのそも絵画のレベルの低さなどが浮き彫りになって日本人としてはかなり恥ずかしくなる。

いわゆる引きの絵の構図と陰影のつけ方がまったく違う。ハッキリ言ってこちらの方が邦画の陰影のつけ方より絵に迫力が出るし奥行きも感じる。パースがハッキリしていて見やすい。構図の全体がよくわかる。それが一瞬で頭に入るのがいいところ。色合いもいい。

この映像で日本の監督がエモーショナルな脚本で戦国時代を舞台にした歴史ものでも撮ってくれたら最高なんだけどな。

内容はかなり酷い。違和感だらけ。この映画が大ヒットしたのは、サムライ+ハリウッドがすべてだったと思う。内容に感動したって人もいるにはいるだろうが、これ別に武士道じゃないし、ハリウッド式のエンターテインメントに貫かれている。助演の日本の役者たちも格好よく撮ってくれているし、そういう意味では最高なんだ。

明治天皇の描写もちょっとね。面白いし大ヒットしているから素直に楽しんではいるけど、史実っぽくフィクションをやると「それはちょっと違うけど・・・」となる部分が出てくるんだよ。

まぁでも面白いし、真田広之がまだ若くて格好良さで負けていないところが良かったかな。