子どもの頃から同じ夢を見る

父か母かに引きずられて、車の後部座席に投げ込まれて車が発進する。
砂漠の道をがたがたと走る。
運転している親の後ろ姿をずっと見ている。

有刺鉄線が張り巡らされた檻の前で停まる。
車から引きずり降ろされて、檻の鍵を開けて投げ込まれる。
こちらをちらりとも見ず、鍵を閉めて黙って帰って行く。

檻の中には月みたいな形のビーチがあって、遠くまで海が広がっている。
で、大量のジンベイザメがすぐ近くを泳いでいる。

ぼろぼろの倉庫みたいな家が1軒ある。
中には簡易なベッドとテーブル、椅子1脚、海側に窓がある。

逃げようとしたことはない。
有刺鉄線で柵が登れない。
迎えに来たこともない。
誰か他の登場人物が現れたこともない。

夢の中で言葉を交わしたこともない。
無言のうちに捨てられる。
最初から最後まで表情すらわからない。
自分のひんやりとした悲しさだけを感じる。

見続けて30年越えの夢。
何年経っても捨てられた自分は幼児のままで、現実で年は重ねてるけど、夢の中では同じ姿。

ワンピース、掴まれてボサッとなった肩ぐらいの髪、裸足、持ち物なし。

悲しい悲しいと思いながら目が覚める。