タロウ、


夏の三者面談に向けて


そろそろ進路を具体的にしなければならない

時期がやってきた。


それまでは

特にはっきりとした目標はなかったが、


国立大学に進学して一人暮らしをしたい

という希望はあった。


私立で一人暮らしは金銭的に無理と

前々から伝えていたのが大きいと思う。



ある時、

日ごろお世話になっている獣医さんから


「タロウくんは獣医に向いてると思うから、

がんばってみたら」


と勧められ、


大型動物を養っている家業の役に立てる

と考えたのもあったのだろう、


あまり迷うことなく

獣医学部を目指そうと決心する。


そういうとこは素直というか、

前向きな性格なんだよなぁ


決心したまではいいが…


調べてみて

その難易度の高さに改めて驚いてしまったポーン


獣医学部のある大学は


国立大学10校

公立大学1校

私立大学6校


入りたい人に対しての募集定員が

ものすごく少ない(全国で1,000人程度。ちなみに医学部は10,000人程の)ため、


自然難易度が高くなり、

医学部の次に難関な学部とも言われる。


学部の半分以上は浪人生で、

2浪3浪は当たり前の世界。


年配の獣医さんの話では、


昔は4年制で希望者も少なかったため、

入るのには苦労しなかったらしい。


その先生は

農業高校からの推薦枠で

酪農学園大学に進学したそう。


うらやましい限りだわ


ただし、

入ってからは勉強についていくのに

相当苦労したそうだが…あせる


とにかく、


今からタロウが必死に勉強に

明け暮れたとしても、


国公立大学の獣医学部に合格することは

奇跡のような話である。


5教科7科目すべてを旧帝大合格レベルまで

もっていかないといけない。


共通テストで80〜90%取るなんて、

考えただけでも気が遠くなってしまう笑い泣き


特にタロウは英語が苦手。

これはとんでもなく厳しいだろうな…


かと言って


私立大学の獣医学部は学費が高く、

6年間で1,300万〜1,500万円はかかるのだ滝汗


いくら本人ががんばってみたいと望んでも、


現実うちの家計では

とても応援することはできない。


これは諦めさせるしかないのかな

と考えていた時に、


ちょうどワクチン接種に来ていた

若き保健所の獣医さんが


『大学卒業後に県内で産業動物獣医師、公務員獣医師(県職員)として将来働く事を希望する獣医学生に、修学資金を給付する制度』


があると教えてくれた。


その人もその制度を利用したという。


それなら、

もしかしたら、

どうにかなるかもしれない。


本人も親も全く考えもしなかった

私立の獣医学部という進路選択が


急に頭をもたげてきた。


私立なら受験科目が大幅に減る。


集中して頑張れば、、、


もしかしたら

いけるかもしれない。


少し希望が見えてきた

かも。



こうして

急展開で目指す進路が変わっていき、


三者面談に臨むこととなる。