今日は、立春の前日、節分です。
節分は、季節の変わり目として、1年に4回(立春、立夏、立秋、立冬の前日)ありますが、立春は旧暦の新年なので、その前日の2月3日は、大晦日に当たり、各地で、大祓えや追儺(ついな)―鬼やらいの儀式をやるのですね。



追儺は、700年代に中国大陸から、宮中で行われていた“大儺”の風習を導入したのが始まりとされます。季節の変わり目は、疫病や厄、災いが起こりやすいとされ、それらを起こす“神”を“鬼”として、身の内に入らないように追い払うわけです。日本でも、平安時代はまだ、宮中儀式でしたが、今では全国に広まり、季節の行事として一般的になっています。

鬼を追い払う ―「鬼は外」
鬼とは、もともと目に見えない―「おぬ(=いない)」ものをさします。邪気や疫病、災いなどは目に見えないことから、鬼と呼ばれます。
ただし、中国では目に見えぬもの、外からやって来るものが、鬼なのですが。日本では、捉え方に違いがあって。目に見えるのでもあるんですよね。肌の色が赤や青、角が生え、虎の毛皮のパンツを履いて、金棒を持っているなどの異形としてあらわされます。肌の色は、種族の違い。角と虎の毛皮は、鬼門の丑寅―北東の意味。金棒は、製鉄民族。鬼は、朝廷に逆らう“まつろわぬ民”や“夷”であり、都には入れないようにし、討伐の対象として地方に追いやられていった人々でもあります。
今では、鬼は可愛らしく描かれ、昔話では、みんなで仲良く終わる結末の時代になりましたが、そもそものストーリーを辿って、歴史を知るのも一興ですよ。
また、昔話は、陰陽五行の視点で見ると面白くなります。桃太郎の桃は邪気を払い、お供の猿・雉・犬は、丑寅とは反対の方位、西南―裏鬼門を指しています。

それから、私にとっての昔話です。
幼い頃、近くの親戚のおじさんが、柊鰯を作って持ってきてくれ、家の玄関に刺してました。そして、氏神様に豆まきに行くという行事がありました。私が大きくなり、おじさんが弱ってからは、しなくなりましたが、大切な記憶のひとつです。
柊鰯は、柊の枝に鰯の頭を刺したもの。柊のトゲトゲと、鰯の臭いを、鬼が嫌うからとされます。それを、門前や玄関先に刺して、鬼が入らないようにします。神社の榊、みたいなものですね。
豆まきの豆は、炒り豆。豆は、神様が作り方を教えてくださった“米”の代わりとされ、神棚にお供えした“福豆”を使うのが本来のしきたりです。“炒る”のは、生の豆では災いや厄を芽生えさせてしまうからと、鬼を“射る”ためとされます。豆は、タンパク質が豊富な栄養源であり、昔は特に重宝されていたことでしょう。
体調が崩れる時期である節分に摂取するのにも、最適ですから、先人の知恵は素晴らしいですね。




私の両親は、季節の行事にあまり関心がなく、その分、周囲の人が教えてくれたことが多かったです。
両親の影響か、私も、風習の実際(やるということ)には、それほどこだわりはないタイプです。タブーとされることは避けて、できる範囲で良いと思っています。
ただし、普段から邪気を溜めないように、祓え浄めには心がけています。大難を小難にという感じですね。
そして、目の前にアイテムやツールが現れたら、タイミングだと思うので乗ります。

私は、歴史や民俗学が好きです。興味が強いと、フィールドワークに向かいます。実際、その土地に行くと、机上では見えなかったことを知ったり、感じたり、気づいたりするんですよね。

特に、“鬼”は10代から興味があって、いろいろと調べました。なぜ、“鬼”にひかれるのか?を辿ることは、自身のルーツを知ることなのだと気づいたときは、震えました。それはまた、どこかで語りたいと思いますが。
なので、私の中では、「鬼は外」でありつつ、「鬼は内」でもあります。

福を呼び込む ― 「福は内」
炒り豆は、食べることによって、身の内に福を呼び込むものでもあります。栄養を取ることで、疫病を寄せ付けず、元気でいることが、何よりの“福”ですよね。
痩せているよりふくよかであること。だから、“おかめ”、“お多福”が、福の象徴なのですかね。“豆”の形にも似ているし。あと、“笑う門には福来る”もありますね。笑いは、災いを遠ざけ免疫を上げてくれます~ナチュラルキラー細胞が働いてくれますよ~。


お多福のパートナーは、ひょっとこです。
ひょっとこは、火男。火を扱う製鉄民。口をとがらせているのは、火に風を吹き込む仕事と同時に、男性の象徴の意味があります。ひょっとこが火を吹き込む先は、火処(ホト、ホド)。火処は、女性の象徴であり、豊かさ~福をもたらすところ。お多福とひょっとこが合わされば、生命が生まれる~子孫繁栄。
お多福(水―地)は、アメノウズメ命(天つ神)。ひょっとこ(火―風)は、猿田彦大神(国つ神)。猿田彦大神は、アメノウズメ命と夫婦になるのですが、伊勢の海で溺れて亡くなります。猿田彦大神は天狗の容姿とされ、その鼻は、ひょっとこの口と同じ意味を持ちます(それだけではないですよ)。猿田彦大神は、国つ神―伊勢の土着の神であり、古、信仰していたのはまつろわぬ民でした。つまり、猿田彦大神は“鬼”とも“天狗”ともいえ、祭りでは“露払い”(先頭で穢れを祓うこと)の役割をします。“露払い”は、“追儺”と同様ですから、節分にも繋がります。
そして、“福”である“お多福”―アメノウズメ命は、天つ神であることから、朝廷側であることが伺えます。天照大御神の一部でもありますからね。米や豆、穀物をもたらしたのは天照大御神ですから、これもまた、節分に繋がります。
私は、アメノウズメ命は、金星の女神―ビーナスだと思っています。これは、伊勢に行くと良く感じることですが、いろいろ隠されています。天照大御神―太陽の中の、金星が。
金星は、金運や財運の意味がありますので、それを“福”とするならば、それも“お多福”と被るんですよ。面白いですね🎵猿田彦大神にも金星の要素があります。だから、二神は夫婦とされるのです。

私たちの“中―内”には、いつでも、“鬼”がいて、“福”がいます。“光”と“影―闇”ともいえましょう。
それは、見方によって変わります。
“外”と“内”も同様です。
古え人は、災いや疫病は“外”からやって来ると考えました。それは、確かかもしれませんが、“内”から出てくるものがあることも忘れてはならないと感じます。

そんな訳で、今日は、冬の土用―内省と内観の期間が終わる節分ですから、自身の内外の邪気を払って、明日の立春―新年に備えましょう✨

豆まきするもよし
恵方巻き食べるもよし
神社仏閣におまいりするもよし

時間がなかったら…
塩や水で浄めたり
呼吸を整えたり
福を呼び込む言霊を唱えたり
福を呼び込むイメージしたり
福を呼び込む動きをしたり

季節の変わり目を体感しましょう🤩⤴️⤴️⤴️


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