Vol.487 親の背中 | アスティアのひとりごと

アスティアのひとりごと

ヤフーブログからの続編としてロレックス、チュードルなど腕時計中心のブログです。またの名を 続・ミルガウス増殖計画

この内容は数年単位の昔に書きまして…。

迷うようであればいつでも消せるように掲載を延ばし続けていた内容です。

 

身内の恥であり、故人の名誉に傷が入るし、僕を知る方々にも僕の過去を伝える事で次会う時居心地悪い関係にもなるかもしれないし、あえて誰かに提供すべき事でもないものだと今でも思っています。

 

しかし、大谷選手の相棒の水原さんの一件もあり、そういう家族を持った一員の実体験というか、持っている気持ちを伝えることも昔作ったこの記事で表現できるのであればと投稿を決意しました。

 

 

 

妻にも話していないことなのですが…。

亡き実父はパチンコが好きで、借金をしてまで遊んでいた事がありました。中毒者でした。

 

 

「飲みで御馳走してお金が足りない」とか「販売した未収金の回収を出張先の健康ランドで置き引きにあった」とか、理由はいくつかありましたが、こっそり僕の部屋に来て僕の貯金を貸してほしいという事は度々あり、これといって使う予定もなかったのでちびちびと貸しては返されという日常が中学生から社会人数年目までと結構長い期間続いていました。

 

 

「内緒だぞ。男同士の約束だぞ!」ともっともらしい口止めをされ、僕も返ってくる金額に1000円くらいの小遣いがついてくるので約束を守るというか、別に口外する理由がなかったのでそうしていました。

 

それが、ギャンブル資金に充てられたのかなと思います。

父母から話があると呼ばれ本人の白状で事実を知り、(まだ雇用延長などという制度もなかった時代に定年退職し、僕から借りるにも会社関係を理由とした口実がなくなったせいかもしれませんが)サラ金に手を付けていたのでショックを受けました。僕に対して親の土下座など…見たくなかった。

 

 

父は弱り切っているので家に残しておき、母と一緒に近くのむじんくん的なATMがある場所に行き、札束の帯をほどいて無情にもお金を吸い取られるさまを二人で無言で見ていたことは忘れません。何度も繰り返しこの手順をして、このATMはいつお腹いっぱいになってくれるのか…恨めしく思ったものです。

 

 

反省してもやまないのが依存症です。

それから数年が経ち、がんが見つかって外出も控えてほしいのですが、「長生きできないのだから好きなことをさせろ!」と借金はしなくなったとはいえずっとギャンブラーなままでした。

 

 

ちなみに飲食店を営んでいた父の父、僕のじいちゃんも、競艇にご執心で、店の売り上げを掴み取っては日々明け暮れていた荒くれ者だったそうです。もちろん店は潰れてしまい、ばあちゃんがかなり金銭面で苦労したという話を聞いたことがあります。

それを肌身に感じた父ですが、同じ道を辿ったというのは何の因果なのでしょうね。

 

 

「浅はかで哀れ」と一蹴します。

 

 

優しく、家庭でも真面目な父ではありましたので憎しみなどはありませんが、

 

「ああはなるまい」

 

の気持ちは強く刻まれました。

想像ではなく、自分が身をもって感した事なのできつめの戒めとして心に暗く、重く、奥底に沈み込ませ、家族の前で見せないようにして、今に至ります。その生きざま故ギャンブル全体が大嫌いなのでしていません。

 

 

 

僕は家での役割もこなしたうえで小遣いの範囲で趣味に没頭しているという自負はあるのですが、子供たちはどう見えているだろうか?

ちょっと気になります。

 

 

道楽が過ぎた親を見て育った子供は同じに染まるか、反面教師にして親が狂った道楽を嫌うのか。

いずれにせよ、僕が辿った思いはさせてはいけないなと感じております。(腕時計が嫌いになるなんてことは特に避けたいし…)