ヴィクトリア時代感満載!のSambourne House
先月、ロンドンにいる間に初めてSambourne Houseに行ってきました。
仲良くしているブルーバッジガイドの石垣雷さんに教えてもらって一度行こうと思っていたのですが、これが予想外に面白かったので書いてます。
外から見ると普通のお宅ですが、中がヴィクトリア時代のアッパーミドルクラスのお家そのままになっているんです。
暗めですが、壁の色はこのようなダークな赤や深いグリーン、青など濃い色が多かったのでそこからもう雰囲気が作られています。
ただ、こんな感じのお家、今もあると言えばある。お隣に住んでいた90歳近かったメアリーの居間はこんな感じでした、ソファ葉もう少ししっかりしていたけど・・・・・。
この家は1800年代後半に雑誌「パンチ」で活躍した写真家であり風刺画家の「リンリー・サンボーン」の住んでいた家でした。
「パンチ」は当時大変人気のあった雑誌で、時事や政治に関するニュースをユーモアたっぷりに時には皮肉り、毎週5万部もの売上がありました。
家として見て行くうちに、何か違和感があったのですが、それは学芸員の人とお話して理由がわかりました。
私は絵画について知識はありませんが、絵を飾るのは好きなので、家に行くとそこにある絵は必ず良く見ます。
絵を見るとその家に住む人の好みや生活などがある程度わかります。
ここでは狩猟の絵があったかと思うとクリケットの絵もあり、でもそれ以外にあまりにちぐはぐなものが多かったので、私から学芸員の人にサンボーンはクリケットや狩猟したんでしょうか?と聞いてみました。
答えは「いいえ」で、彼にはそういう趣味はなかったそうで、絵画がばらばらでテーマもはっきりしない理由も教えてもらえました。
サンボーンは決して裕福だったわけではありませんでしたが、オスカー・ワイルドなど文筆業のみならず政界や財界の有名人と交流する機会が多くあったそうで、そういう方たちを家に呼んで打ち合わせする必要があったそうです。ですから家はそれなりにしつらえなければなりません。
でも彼には先祖から受け継いだ家具や調度品、絵画がなかったため、ロンドンのアンティーク商やショップで見つけた古い絵画や写真を集めて壁を覆い尽くしました。
面白かったのは、ところどころに日本のものが見られたところです。
これは歌川房種の描いた光源氏。1800年代後半のイギリスでは浮世絵が大変流行りましたので、これはペアで購入したうちの1枚だそうです。