アフタヌーンティーの本当のマナーとは。 | スチュワード麻子オフィシャルブログ 「ティータイムのある暮らし」

アフタヌーンティーの本当のマナーとは。

大阪、梅田阪急のワールド・ティー・フェスティバルは今日が最終日です。
 
お茶好きなら本当にたまらないイベント、右を向いても左を向いてもお茶、お茶。
世界からこれだけ沢山のお茶が集まるなんて本当に夢みたいです。
トルコのお茶やふだんロンドンでしか買えない紅茶がこれだけ一堂に集まるのですから。
お茶だけでなく、今回はザ・ランガムのアフタヌーンティーも大人気。予約制ですがクリームティーならいただけます。
私も昨日、久しぶりに訪ねてくれたお友達とクリームティーをいただいてきました。
シェフのアンドリューとリカさんの作るスコーン、美味しいですよ!
アンドリューさんとは裏のキッチンで
「粉が違うしバターが違う。」
ということについてゆっくり彼の意見を聞くことができたので、私の疑問も解決しそうです!

 

 
昨日はブリティッシュ・スクール・オブ・エチケットのフィリップさんの講義通訳でした。
何度も担当しまいしたが昨日が最後の2回、沢山の方がいらっしゃいました。

 

 

フィリップさんが送ろうとするメッセージは
「アフタヌーンティーは、みんなで集まって美味しいお茶とティーフーズを楽しみながら、おしゃべりするのが目的です。
マナーとは、あくまでも自分がお会いする相手を不快にさせないという思いやりのあらわれ。テーブルマナーに固執するあまりに楽しめないのではもったいないです」
ということ。
これは私も本当にそう思います。
「アフタヌーンティーって、本場のイギリスではどんな風に出されるの?どういう風にいただくの?」
ということを、知的興味として知りたいという気持ちはわかりますし、それはそれで勉強したらふーん、そうなのね!と面白いと思います。
また
「昔の風習はどうだったの?」
という疑問も、勉強すればとてもおもしろいです。
何しろ1840年代に生まれた風習ですから、今日に至るまでに様々な変化がありました。
当たり前ですよね、どんな食習慣も食文化も、時代とともに変化します。
でも、100年以上前の話を持ち出して
「ナプキンをこんな風にするのは間違っている」
「スコーンはこうやって食べなければいけないのよ」
などと言うとしたら、それはフィリップさんもですが、私もナンセンスだと思います。
 
現在のマナー、という点では、フィリップさんはエキスパートです。
それは彼が、人物として体現していることからも明らか。
単にスマートに振る舞うだけでなく、道行く人、タクシーの運転手さん、全ての人に不快な思いをさせない、という彼は、本当のマナーを身に付けている人だと思います。
 
アフタヌーンティーはあくまでも、美味しく楽しくおしゃべりして過ごすもの。
では何故、カトラリーのセットの仕方や召し上がり方を、フィリップさんや私がレッスンするかと言えば、それはとにかく、アフタヌーンティーをする時に、どの方にも自信を持ってリラックスして欲しいからです。
正しい振る舞い方を身に着けていれば、どこに出ても安心してリラックスできます。
食べ方を知っていれば、色々なことを気にすることなく、美味しく召し上がれます。
ただ、それを知らない方と同席したとしても、それを評価したり、馬鹿にしたりするのはとてもマナーが悪い人がすることだと思います。
 
マナーは、何かをする際にそれを妨げたり、自信を失わせたり、冷ややかな目で誰かを評価するものではないのではないでしょうか?
アフタヌーンティーはイギリスの習慣です。
イギリス人ですら知らない人が沢山いるのに、日本にいてそのエチケットを知らなかったからと言って、恥ずかしいことなんて何もありません!
わからない、知らない、というのは恥ずかしいことでは無いですよね、私なんてすぐに
「それ知りません、何ですか?」
と誰にでも聞いてしまいます。だって知らないことを教えてもらうのって楽しいですよね?
 
究極なことを言えば、他人を不快にさえしなければ、アフタヌーンティーをルールと違った召し上がり方をしたところで別にどうってことないと思います。
アフタヌーンティーは優雅なものですし、来る方は非日常な優雅さを求めて来るのですから、その雰囲気を壊さない、というのがこの場合の思いやり、マナーですね。
いくら「好きにして良い」と言われても、周囲の雰囲気を壊すような行動はやはりマナー違反ですが、そうでなければ固くなってしまう必要はないと思います。
反対に、他の人の振る舞いを云々するのはちょっと嫌かな、と。
 
こういうやり方が現在のマナー、と知っておくことは自分の自信に繋がります。
堂々と振る舞えると、姿勢もよくなり、男性も女性も美しく見えます。
ですから、今回のような場があれば、細かい点であってもテーブルマナーについてはきちんとご説明しますし、それは知って役に経ったなあ、と思っていただければ嬉しいです。
国も違えば時代も違う、アフタヌーンティーにまつわる沢山のマナーを
「どれが本当に正しいのか」
なんてことを言い立てるよりも、
「昔はこんな理由でこんなことをしましたが、今はどちらでもいいんですよ」
とロジカルに説明できるフィリップさんさんの教え方は、21年イギリスに住んでアフタヌーンティー含め、沢山の経験をした私からすると、とてもすっきりしました。
 
ウィンストン・チャーチルが、同席した女性がワイングラスを倒してとても気にしているのを見て、自分もグラスをひっくり返して
「この国では日常茶飯事で起こることなんですよ!」
と平然と言ったというエピソードは、本当に良いマナーということについて、何かを物語っている気がします。
ものすごくイギリス的(笑)。
こういう大らかな気持ちで、アフタヌーンティーを、そしてお茶を楽しみたいですよね!