金婚式のお祝い | スチュワード麻子オフィシャルブログ 「ティータイムのある暮らし」

金婚式のお祝い

この週末、義父母が金婚式を迎えるというので、親族のほとんどが集まりました。

もうリタイアした義父母は以前のような大きな家に住んでいないので、全員が泊まれるコテッジを借りて。

古いバーン(納屋)を改造したもので、納屋と言っても、多分20人は楽に泊まれるだけのベッドルームと、居間には3シーターのソファが5セットもある広さなので、人数が多くてもあまり困りません。


スチュワード麻子オフィシャルブログ 「英国でティータイムのある暮らし」

我が家のギムリは、義兄の家のラブラドゥードゥルとちびちゃんのテリアと一緒にはしゃぎまわってもうへとへと。

スチュワード麻子オフィシャルブログ 「英国でティータイムのある暮らし」

食事はケータリング会社に頼みましたが、ケーキは私が作りました。

金婚式ですから、ウェディングケーキをイメージして、義母のブーケに使ったという黄色い薔薇を飾って。



スチュワード麻子オフィシャルブログ 「英国でティータイムのある暮らし」

50年後のケーキカットは、ファミリー16人だけ、カントリーのコテッジでごくくだけたものです。

義理の祖父母の金婚式のお祝いはもっと盛大で人数も多かったのですが、ファミリーだけというのもいいものでした。

スチュワード麻子オフィシャルブログ 「英国でティータイムのある暮らし」

義父母が50年前に結婚式を挙げた、ソールズベリー大聖堂にも行きました。

「この長いアイルを全部歩くのは結構勇気がいったよ」

と義父。

コテッジで、ふたりの結婚式の古いビデオを見ましたが、60年代のイギリス女性のエレガントなこと!

250以上いたゲストは皆それは華やかでした。

スチュワード麻子オフィシャルブログ 「英国でティータイムのある暮らし」

この日のために、イタリアに嫁いだ伯母もローマからやってきました。

私たちのロンドンでの式はもちろん、東京での式にも参加してくれたこの伯母、キャロルは、今年70歳ですが、とても魅力的でグラマラスな女性です。


イギリス人の女性と一言で言っても、もちろん色々なタイプの人がいますが、義母はある意味で実にイギリス的、タフで忍耐強く、何でも自分でできる女性。

伯母のキャロルは華やかで、センスもよく、ややはちゃめちゃな行動をとってもそれを悪く思う人はいなくて、自然と誰もが惹きつけられるような女性です。


義母は決して目立つタイプではありませんが、彼女の思いやり、事務処理能力などは常に皆に感謝され、そして多くの人がそれをちゃんと口に出します。

これはいいことですよね、縁の下の力持ち的な人がちゃんと評価され、感謝されるのはイギリスの美徳のひとつです。


でもね、この家に嫁いで20年、キャロルに感謝の気持ちを公に示したり、彼女の努力を口に出して褒める人ってあまりいなかったように思います。

華やかで、何をしても許される彼女は、愛されて当たり前という位置にいるし、実際に愛されているのでそれで十分だと思うからでしょうか。


でも、自分自身が年齢を重ねるに従って、私は彼女が愛されるのは単に「持って生まれた資質」だけではなく、きちんとした理由があるからだと考えるようになりました。


私はイギリス人が大勢集まるこういう場では、やや外からものを見ることができます。

皆が忙しい中、離れた位置から見て、誰も気づかないことや、誰かがしなくてはならないことをする、というスタンスです。


狩猟場を何十年も切り回した有能な義母と、コルドンブルー出の義姉が仕切る中、私が出ていかなくてもことは十分に足りますしね。

だから私は飾ってある花が枯れかけていたらそれを切り取り水を取り替えるとか、こういうケーキを用意するとか、物を出すときに盛り付けを綺麗にするとか、地味なことをしています。


キャロルは必ずそれに気づきます。


華やかな人ですが、彼女は苦労もしているし、人知れず努力もしています。

それを見せないだけ。

白鳥が水の表面はエレガントなのに、水面下ですごい勢いで水をかいているのに似ています。

隠そうとしているのではなくて、何をしても簡単に、さらりとこなして見える上、失敗しても許されるので人が気ガつかないだけだと思います。


それって、ちょっぴり不公平じゃないかしら、と今回思いました。

一生懸命やって、それを評価される人と、「あの人は何をやっても器用にうまくできる人だから」と当たり前に取られる人と。


今回、彼女は私のところにやってきて、ハグをした後、

「あなたがやっていることはとても素晴らしいわ、仕事も、子供も、でも他の人が気持ちよく過ごせるように心を配っていることについて、褒めてくれる人は少ないでしょう。でも、私にはあなたが陰で努力していることはわかるし、それをちゃんと口にしますよ。ありがとう。」

と言ってくれました。


とてもうれしかった。

考えてみたら、私にとって最も大事な人たちというのは、結果ではなく、そのためにばたばたと慌しく頑張っているのを見ている人、何かをする前に山ほどの時間を費やしているのをわかってくれる人たちです。

もちろん、一番そばにいる夫が、原稿でうーうーうなって寝不足だったり、中国やインドの山奥で具合悪くなったり、ストレスが溜まったりする姿を見てわかってくれているのは常に大きな心の支えですが。


スチュワード麻子オフィシャルブログ 「英国でティータイムのある暮らし」


地道な努力、大変な思いをするって確かに大事なことでしょう。

でも、努力してないラクしていい思いしてる人なんていないんじゃないでしょうか。

キャロルはきっとそれを分かっていて、ちゃんとそれを口に出すことを習慣にしているのでしょう。


頑張ってることを、誰かに「わかってるよ」って言ってもらえることって、すごく大事です。

努力してるのに「やってくれて当たり前、できるんだから」って取られるのって、きっとすごく虚しいですよね。


私も彼女を見習って、普段あまり「頑張って」見えない人にこそ、ちゃんとそれを言ってあげよう!と思いました。