夏の終わりに、パリで日帰りランチ | スチュワード麻子オフィシャルブログ 「ティータイムのある暮らし」

夏の終わりに、パリで日帰りランチ

英国カントリー とっておきのティープレイスへ  と 英国スタイルで楽しむ紅茶 の2冊、そして「ミセス」や「アエラ」などでもお世話になった、ロンドン在住のフォトグラファー富岡秀次さんのブログが始まったそうです。


富岡秀次のロンドンスナップショット  はヴァージンアトランティック航空のブログ。


私が見るのはほとんどが女性によるブログなので、男性の視点で見るロンドンってやっぱり違って面白いな、と思います。

富岡さんの写真のファンは私の周囲にも多く(私の夫と両親もそうですが)、もちろん私もそのひとり。

ブログの写真の中で、私が一番うっとりしたのがこれです。

舞台のそでで、プリマが踊るのを憧れのまなざしで見つめる若いバレリーナたち。

イギリスでダンス。

ドガの絵画を思い出させるような。


自分でブログをやるようになってから、写真って本当に難しいな、と痛感しました。

富岡さんのようにその場の空気までうつしこめるようになるには、きっとものすごい時間がかかるのだろうな・・・・。ま、どだい私には無理だと思うので、できる範囲で頑張るしかないのですが。



さて、忙しく仕事と家のことに明け暮れていると、友達に会いたい!という気持ちになります。

忙しくてアップできませんでしたが、8月の終わりに友達に会いにパリに行ってきました。

幸い我が家はもう子供も手を離れている上、夫も基本的に自分のことは自分でできる人なので、JAL時代の同期で一番仲良しのYちゃんがフライトでパリに来る、と言うと、快く送り出してくれました。


とは言っても、その翌日が収録だったので、日帰りになってしまいましたが・・・・・残念、せっかくパリに行くのに。


パリはユーロスターの駅がセント・パンクラスになってからはますます近くなりました。

我が家があるハロウ・オン・ザ・ヒルからメトロポリタンラインという地下鉄一本で行かれ、そこから2時間20分電車に乗れば、もうそこはパリ。


パリに長く住む友人のみほちゃんから、ユーロスターの発着駅である東駅付近はあまり治安がよくない、と聞いていたので、さくっとポンドをユーロに変えたらそのままメトロの4番線に飛び乗り、待ち合わせのオデオン駅へ。


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この日のパリはなんと32度という暑さ。

イギリスはせいぜい20度前後だったのに、と思い、カーディガンを脱いで歩きます。


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あいにく日曜なのでほとんどのレストランは閉まっており、しかもランチからディナーまで終日営業というとさらに限られます。

で、空いていた数少ないレストラン、「Le Procope」へ。


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駅からとっても近く、ほとんど一直線だというのに、自分が出た出口の位置がつかめずうろうろするわたし。

方向音痴は結構知り合いの間では知れ渡っていますが、パリの人はとても親切なので、迷わず聞いてしまいました。


パリの人が親切、という認識は実は飛んでいる頃にはほとんどなく、それどころかフランス語ができないと無視されると思っていました。

でも、頻繁に行くようになり、「黙っていれば何もしないが、たずねればとことん親切に教えてくれる」ということを実感。


一度などは電気の差込変換プラグを忘れて、ホテルのレセプションでなぜか「近くの郵便局に行けばあるから行きなさい」と言われ、絶対にない、とほぼ確信して行ったところ、本当になかったのです。


でも窓口の女性は、郵便局にプラグを買いに来た、間抜けな東洋人女性を馬鹿にした様子もなく、並んでいる人たちに大声で「誰か、プラグ売ってるところ知らない?イギリスのと変換できるの」と呼ばわり、すると当たりはたちまち「あそこだ」「いやここだ」と騒然となりました。

みんながフランス語でなにやら私に話しかけるので困っていると、最後には列に並んでいた若い男性が英語で「連れていってあげる」と申し出てくれ、彼が郵便を出すのを待って外に出ました。


その後、何軒もいろいろな店をトライし、とうとう大型の電化製品を扱う店に着く頃にはなんとふたりでてくてくと45分も歩いた計算になりました。

なんていいひと・・・・・。


それだけでなく、他にも道を聞いてそれはそれは親切に一緒に来てくれた人は何人かおり、私の中で「パリの人は親切」という定義が固まったわけなのです。

ロンドンだって聞けば教えてくれるけど、知らなければ「知らない、ごめん」で終わりです。

一緒に歩いて探してあげよう、って言う人はあまり聞いたことがないな・・・。


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余計な話が長くなりましたが、お料理。あまりの暑さに、Rが付いてない月だけど、思わず冷たい生牡蠣をオーダー。冷たい白ワインと一緒に。


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そしてコージェット(ズッキーニ)で巻いたカニ肉が入ったガスパチョ。

おしゃべりに熱中するあまり、これ以降料理の写真は撮れませんでした・・・・。


日本に帰る度、必ず会うYちゃんですが、今も現役で国際線を乗務しています。

最近は条件も厳しくなっていますが、仕事に誇りを持って、ちゃんとお客様のことを考えて飛んでいる人はまだたくさんいます。

お客様を相手にする仕事で、表ではとても丁寧なのに裏では様子が違う職場を見たことがありますが、少なくとも私が知っているCAでそういう人はとても少ない。


でも、まだ20代で仕事を辞めてしまった私は、彼女が持つような本当の意味での思いやりとか、お客様の立場に立って考える習慣がちゃんとついてはいなかったと思います。


どんな仕事であっても、努力を惜しまず一生懸命にやる人っていうのは素敵ですね。

自分を省みて、もっとがんばらなくちゃ、と励みになります。


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入り口近くにこんなものが。

このレストランは、実はナポレオンがよく利用したといいます。

Yちゃんの頭のすぐ後ろに、古い手書きの手紙が額に入れて飾ってあり、私たちは

「まさかナポレオン直筆の手紙とか?まさかねー」

なんて話していたのですが、本当にそうだったのでびっくりしました!


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パリも日の入りは遅く、散々おしゃべりして外に出ると、あたりはまだようやく日が傾き始めた頃でした。


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水の近くを歩きたくなるのはどういう習性でしょうね、しばらく歩いて河に出て、川沿いの道をゆっくり歩きます。

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道の反対側では、去り行く夏を惜しむかのように、たくさんの人が道に出したテーブルでワインを片手におしゃべりしています。

イギリスだとレストランなどで座っている人たちは、どちらかと言うと落ち着いた感じで上体を後ろに倒し、何もしないで外を見ていたりする人もいます。

でもパリは、テーブルに乗り出さんばかりにして、熱心に喋っている人の数が多いように感じます。


地下鉄の駅の入り口でYちゃんと「次は10月に日本でね」、と手を振って別れ、またユーロスターに乗りました。

日曜の最終のユーロスターはあまり乗客が多くなく、眠っている人がたくさんいました。

ロンドンの涼しい風に当たって、ああ、私は本当に今日一日違う国にいたんだな、と不思議な気持ちになりました。


いつもいつもそばにいられるわけではないけれど、何かあればきっと助けてくれる、そんな友達がいるなら、たとえそれがイギリスと日本に離れていても、年に数回しか会えなくても、きっとそれだけで恵まれているのだと思えた一日でした。