むかしむかし、いやわしの若いころの話じゃったかのう。
ある王室が存続の危機にあったのじゃ。
というのもその王室は男系男子のみが王になれると定められておって、王には王女がおったが王子はおらんかったのじゃ。甥はおったがその子に将来男の子が生まれなければ王室は途絶えてしまう。
そういうことで王女に王位を継がせようと王は望んでおったのじゃが、一部のものが男系男子が唯一絶対の優先すべきものであって王女が継げば王室は断絶するといって騒ぎ、王の意見を聞かんかったのじゃ。
ならばどうするのかといえば昔、王室を離れた者の子孫、今は民間人であるものを王室に加わらせてその子どもに王位継承権を与えようとしたのじゃ。
しかし、その子孫たち4人に話をしてみても皆なにをいまさらという反応しか返ってこなんだ。
しかし、鼻薬をかがさ・・・ゲフンゲフン。神託をうけた4人は王室に入ることを受け入れたのじゃ。これで一安心と一部の人は胸をなでおろしたのじゃ。
それから数十年後、王の甥が王を継いどったがそろそろ引退したいと言い出した。さてそこからが大変じゃったのじゃ。その王は独身であり子どもは男も女もおらんかった。そこで王室に入った4人のうち、2人には男子がおった。そこでその2人に白羽の矢がたったのじゃが・・・。
ということになったのじゃ。この質問に答えられるものは誰もおらなんだ。というのも年齢できめるのか。王との血の近さできめるのか。何も決めてはおらなんだからじゃ。というのも一度王を決めればその子の子どもに王が引き継がれることになるのは明白だったものじゃったから、容易には決められなんだ。王の血の近さといっても元々数百年前に別れた家じゃたから、ほぼ差はないようなものじゃ。さらには2人のうち1人の親、もともと民間人じゃったT氏がそれならば私めが王に・・などと言い出したものじゃからもう収集がつかなんだ。そのうえさらにこうなったら民間におった前王の王女を呼び戻そうなどというものもおった。むしろ一部のもの以外はほぼそう思っとったじゃった。しかし、民間におった元王女はなにをいまさらという反応でその後は沈黙を貫いたんじゃ。他の前王の親族は皆そうじゃった。
それからどうなったじゃと?その元王族たちのもとには神託は下らず、一部の者同士で争いがつづいたが、それをみていた国民たちの間では辟易とした空気が流れとった。そして、とうとう関係者の間で殺人事件まで起きとった。それから王位をどうするかの国民投票を行ったのじゃが、そこでもっとも多かったのは王室の廃止じゃった。そんなこんなで世界でも長い歴史をもつその王室は醜い争いを最期としたのじゃった。
おしまい。つづきはない。

