こんばんはあっそうかですあ

 一昨日の朝からある素敵なことが起きたので今日はその話をさせて下さい!




 少し暑い朝でした。
 1日の始めから、さあ今日も1日頑張っていくぞ!といきたいところでしたが、そう上手くはいかないもので、寝不足と過労により気分はまあまあといったところでした。

 そして、そのしらけた顔のまま家から出て自転車に乗り、学校へ向かおうとした時のことでした。

「お兄さん、そこの飛行機雲がとっても綺麗ね。ほら、あそこよ。」

 話しかけられるまでは存在を知覚すらしていなかった貴婦人がどこからともなく現れ、空を切る一筋の飛行機雲を指差して、あっそうかに笑いかけています。

 貴婦人の指す方向へ目を向けると、眩しい朝の淡い青空に一本白い線。確かにそれは綺麗でした。今まで見たことのない美しさ、ではなく今まで見ようとしなかった美しさ。青い画用紙にを切り分ける一本の線。傍らで囀ずる小鳥。水分の多い朝の空気。眩しい太陽の光。そして植物と土の素朴匂い。

 その総合芸術の美しさに今まで見向きもしなかったのが悔やまれます。きっと昨日も一昨日も1ヶ月前も同じようにそこにあったであろう、貴婦人の言う綺麗なもの。貴婦人には見えて僕には見えていません。きっとこの先歳を取っても見えるようになれません。

 若いうちに出来ないのに歳をとってから不意に何かに目覚めるなんてそんなうまい話はありません。やはり無意識だとしても何事も積み重ねが大切だと思います。しかし、今の自分は目の前のことで精一杯。不意に上を見上げて、感動を覚えるなんて一人ではとても出来ることではありません。なら、将来の自分もきっと。

「あら、お兄さん邪魔してごめんなさいね。老人の悪い癖であちこちで迷惑をかけてしまって。」

 ううん。決して迷惑なんかではありません。知らない人に突然声をかけること、日々に隠された美しさを素直に喜べること、あっそうかは尊敬します。今の若者が歳を重ねてもきっとたどり着けない姿です。そんな姿を朝から見た僕は自然にこぼしました。

「いえいえ、朝からご挨拶ありがとうございます。」

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 いつか自分もあんな素敵な余裕のある大人になりたい。
 朝から良い刺激を受けた1日でした。


 今日も最後まで読んで頂きありがとうございます!!

 少し暑い日が続きますが、暑さ対策を万全にして健康に過ごしていきましょううずまき

 では皆様ごきげんようさそり座