有機的構成の高度化/人口の自然増(生殖・養育・育成)/外部収奪――末期資本主義の病状 | 草莽崛起~阿蘇地☆曳人(あそち☆えいと)のブログ

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自虐史観を乗り越えて、「日本」のソ連化を阻止しよう!

資本の有機的構成高度化*は人口増を制約する。つまり構成高度化によって現役労働者の絞り込みが行われるなら(あるいは現役労働者数の増大が他の階級からの没落や新規学卒者による労働者階級全体の増加量以下に抑制さるなら)、現役労働者の労働負担増と失業者の数の増大と彼らの貧困化をもたらす。

 

 *資本の有機的構成の高度化とは、投下総資本の構成要素のうち、労働力購入費である可変資本の割合が相対的に低下していくことを言う。ブルジョア経済学的に表現すれば、労働の資本装備率の上昇といえる。企業の投資額のうち人件費に回る部分の割合が低下するわけだから、人員の増加には抑制的に、あるいは他の条件次第ではマイナスに作用する。

 

 

 

 

そして、その結果、多かれ少なかれ、出産と育児には制約がかかることになる。

 

また、過剰人口の創出による労働者階級の貧困化、あるいは生活水準向上の停滞は、イノベーションの進行やそれに適応できる労働力の育成を制約する。

 

その結果は、生産性の停滞や低下であり、それを埋めるために資本は、まずさしあたり絶対的剰余価値の追加的生産(労働時間延長、労働強化)への依存を強める。この面からも絶対的・自然的人口増への制約が強まることになる。

 

したがって、中ないしは短期的には相対的過剰人口の創出につながる要因(構成高度化)が、おそらくはある程度の長期的作用として絶対的人口増を制約する要因ともなるのである。

 

そこから、資本は一層外部収奪に依存する傾向を強める。この場合の外部収奪は、旧帝国主義時代とは異なり、生産拠点の海外展開と移民労働力の吸引が主となる。それは、製造業の空洞化と排外主義的・エスニシティ差別的気運の台頭につながる。

 

 

 

我々は、現在、このような仮説を抱懐している。

 

 

Dawning of A New Era

(BBC in Concert: Live at Paris Theatre, 15 December 1979)