3つのリベラリズム――その1:古典的リベラリズム | 草莽崛起~阿蘇地☆曳人(あそち☆えいと)のブログ

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18世紀の古典的リベラリズム、19世紀中葉から20世紀初頭のニュー・リベラリズム、20世紀末のネオ・リベラリズムという3つのリベラリズムの特徴について述べます。

 

最初に、結論先取り的に3つのリベラリズムをの特徴を図式的にまとめて置きます。

 

古典的| 自由放任  |夜警国家

                                

ニュー | 社会政策* |福祉国家

      * のちに公共投資・社会保障へ

                                     

ネオ  |privatization|「グローバル国家」

 

古典的リベラリズムは、経済政策においては、いわゆる「自由放任主義」を唱道しました。市場への政策的介入を廃し、国家の機能を外敵からの防御、国内治安維持などに限定する「夜警国家」に対応するものです。

 

古典的リベラリズムは、アダム・スミスなどによってその原型が整えられた初期の段階では、一定の進歩的役割を担っていたといえます。絶対王政の下での統制経済を通じての利権独占や専制政治への対抗原理となり、市民革命とその結果成立した民主国家に思想的な根拠を提供しました。

 

しかし、その後産業革命が進展すると状況は変わります。労働時間の法的規制や最低限の労働条件の確保など、企業活動に対する規制や労働者を保護する政策がほとんどない状態が続いた結果、都市問題、労働問題、貧困格差問題が深刻化することになり、労働者の抵抗も強まり、資本家や彼らに支持された政治家たちの間でも、対策の必要性が自覚されるようになっていきました。

 

その結果、古典的リベラリズムの「自由放任」を批判し、国家による規制や保護の必要性を説く、ニューリベラリズムが登場することになります。

(つづく)

 

The Big Three - What'd I Say (live at The Cavern) - 1963