アソシエーション経済(=非営利協同経済)Vs. 新自由主義、国営経済、「混合経済」 | 草莽崛起~阿蘇地☆曳人(あそち☆えいと)のブログ

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自虐史観を乗り越えて、「日本」のソ連化を阻止しよう!

《国営企業を廃止し、民営化して行くというのでは、新自由主義と同じ方向であると思うのですが、どこで共産主義と新自由主義は区別されるのでしょうか 》

前提が、大きく異なります。新自由主義者は、賃労働の廃止を望んでいないのではないでしょうか。アソシエーション社会の経済システム(=非営利協同経済)では、何よりも賃労働の廃止が最重要の課題として追求されます。

 

賃労働に基づく経済システムという点では、「社会主義」を詐称してきた国営経済も、新自由主義も全く同じであり、両者を足して二で割った「混合経済」もそうです。

 

この観点からみた場合には、新自由主義との区別がないのは、非営利協同経済ではなく、国営経済や「混合経済」の方です。

 

また、非営利協同経済では、究極的には商品生産も揚棄されます。ここでの商品生産とは、生産者の見込みにもとづいて利用者をはじめとする他の社会成員(経営権を持たない労働力提供者=末端従業員を含む)の意思を排除して遂行される排他的労働(=私的労働)に基づく生産のことです。自給品生産や注文生産の対立物です。

 

アソシエーション社会の非営利協同経済では、従来の自給品生産や注文生産を継承しつつその弱点を克服した新しい仕組みの構築が目指されます。それが具体的にどのようなものになるかは、今後の当事者の皆さんのご希望や取り組み方次第ですが、基本的性格は、前回のコメントで述べたように《 ユーザー主導のサプライチェーンマネジメント、すなわちネットワーキングするプロシューマたちの経済 》です。

 

利用者=消費者は、自分の欲しいものを、最も適切な(社会的公正さにおいても、エコロジカルにも)方法で実現してくれそうな、生産者、流通者、再処理者としての各種協同組合と提携して調達することになります。自給と注文のアウフヘーベンですから、市場を介しての取引ではありません。

 

おっしゃるところの《 企業間の血で血を洗う戦い 》が具体的には何を意味するのか、判然とはしませんが、もし市場における企業間競争を指すなら、そのようなことが起こる余地自体がないことになります。

 

《 消費者や労働者が株主となり企業を経営するといったことを想像されているようですが 》

いいえ、そういうことじゃないですね。

 

《 消費者や労働者が株主となり企業を経営する》こと自体は、すでに実現していますよね。もちろん、実際の経営は、機関投資家をはじめとする大口投資家の利益と資本それ自体の物象的な運動との衝突と調整によって決まっているので、消費者や労働者といった小口の投資家の意思が反映することないのですが。

 

アソシエーション経済の場合、経営主体はあくまでも当該企業の従業員ですね。

 

また、アソシエーション経済において、株式制度が利用できるとすれば、それは、投資家たちから当該企業の従業員たちが自分たちの事業所を接収するためのツールとしてだけでしょう。従業員が協同で投資家たちから株を買い取って、非公開株とし、当面は、生協のように、退職時に持ち分を返還し、新たな参加者があった際はその人に持ち分を与えるという形で従業員所有を実現するという場合ですね。株式は原則非公開となるので、実質的には、株式市場は廃止されますね。

 

《一切を民営化すれば、インフラ系の企業や労働者が圧倒的に有利になり、一種の貴族制が出来上がりませんか。 》

そもそも、どのような論理的な経緯、メカニズムを通じてそのような事態が生じるとお考えでしょうか? ご教示いただければ幸いです。

 

また、どのようにしてそうなるかは置くとしても、もしそのような結果もたらす事情があるのであれば、すでに現時点で、インフラ事業は真っ先に民営化され、そこには民間営利企業が殺到している状況になっていると思うのですが、いかがでしょうか。