まず、「こんな世の中がいいな」という理想像としての社会主義にはいろいろなものがあり、そのすべてが「給料の統一」に理想を求めているわけでありません。たとえば、マルクスは、「給料の統一」を人間から人間らしさを奪う馬鹿げた社会を産むだけだといって批判しています。
また、自称「社会主義」国の実情の説明としても間違っています。実際「社会主義」国の多くが、何らかの等級賃金制度を導入しいて、給料は、職種や労働時間に応じて違ってくるようになっています。
それにもかかわらず、これらの国が貧しいのは、政府を支配する人間たちが、労働している人々を激しく搾取しているからです。
「給料の統一」や「賃金の平等」が、自称「社会主義」国の働く人々が貧しい理由であると説明する人々は、結果的に、これらの国の支配者の悪事を隠し、この支配者たちを庇っていることになると思います。