【摘要】「日本・アメリカの拡大する貧富の格差」(中野洋一) | 草莽崛起~阿蘇地☆曳人(あそち☆えいと)のブログ

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自虐史観を乗り越えて、「日本」のソ連化を阻止しよう!

《2001 年の日本のGDP は498 兆円、2007 年のそれは516 兆円であった。この間に日本のGDP は18 兆円も増えていた。しかし、同じ期間の雇用報酬は、2001 年が269 兆円、2007 年が263 兆円であった。この間に労働者の賃金は全体で6 兆円も減少した。》

《ところで、この間に増加したGDP と巨額な企業収益はどこへと消えたのか。これが最大の問題である。
 この問題を分析した森永卓郎(経済アナリスト)は、著作『年収崩壊』(2007年)のなかで、その巨額な企業収益は、一つには株主に支払う配当金へと分配され、二つには大企業の役員報酬として分配されたと、次のように説明している》

《2001 年度から2005年度にかけて雇用者報酬が8 兆5163 億円減少したのに対して、企業の利益に相当する営業剰余は10 兆1509 億円も増えている。》

《それでは、その利益はどうなったのか。財務省の「法人企業統計」をみると、興味深いことがわかる。2001 年度から2005 年度にかけての4 年間で、企業が株主に支払った配当金は2.8 倍に増えた。株式の配当金だけで暮らしている大金持ちは、4 年で所得が3 倍になったことになる。》

《「法人企業統計」で役員報酬をみると、資本金10 億円以上の企業では、役員報酬が4 年間で88%も増えている。2006 年度の主要企業100 社の1 人当たり取締役報酬は6030 万円で、前年比で21%増えている。つまり、大企業の役員は、この5 年間で報酬を2 倍以上にしたということになる。》