われわれ日本人は、論じることが本当に苦手だ。
この文章もその典型である。主張や結論があっても、何の裏づけもない。
「理性を信じすぎる」ということの定義と、マルクスがどこでそうしているのかという事実の指摘は、最低限必要なはずだが、それがない。
「今朝は、雪が降っていて寒かったです」という小学生の絵日記のレベルですら、寒さの程度や寒いと感じた理由を含んでいるが、リブログもとの文章は、肝心要の部分でそれを欠いている。
東ドイツの体制がマルクスの関与の結果と考えているのだろうが、それが事実であるかどうかの検証もない。
マルクスが理性主義、理念主義に対して没批判的な態度をとったかどうかは、きわめて重要な論点であり、問題設定としては、意義も大きく興味も尽かないのだが…
それだけにこうおざなりの扱いをされては、幻滅が深まるばかりである。自分自身の没批判性に無自覚なところが、この文章を書いた人の最大の弱点であろう。