【映画の感想】シン・仮面ライダーを観て分かった事(ネタバレ有り) | ゆるゆる更新ぶろぐ

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やはり話題となっている『シン・仮面ライダー』。僕も公開日の18日にいそいそと観に行ってまいりましたグッニコニコ

前々作の『シン・ゴジラ』では高い評価を受け、シン・エヴァも評価は高そうですが💦ジャンル的には僕の様な昭和特撮ファン枠では無いと思うのでそれはさておき、前作の『シン・ウルトラマン』はシン・ゴジラとは打って変わって大きく賛否分れる結果となり、同様の昭和の特撮枠として公開される『シン・仮面ライダー』に影響が出るのかな~と思いきや、そんなこと無く過去作同様に話題の映画となってますねぇにっこりまぁyoutubeでの感想動画の多いこと

大体影響があまり無い事は自分自身が証明してますがねぇ💦僕自身は予告に大きく動かされた部分もありますが、やはり根底にデカい期待を持っていたんだと思いますおねがい

 

と、言う訳で『シン・仮面ライダー』を観た私の感想

 

率直に申し上げますと、

 

庵野秀明って人を買いかぶり過ぎだったのかな・・・

 

です真顔

 

とはいっても全く良くなかったって事はもちろん無く、ウルトラマンと同じように仮面ライダーとしての良い所もたくさんはありました。

 

なのでまずは個人的に良かった点を述べたいと思います。

 

良かった①:仮面ライダーの改造人間としての設定

仮面ライダーのここの設定は僕の中ではの評価高いです。まず改造人間だという事をそのままに、さらに異形の姿になってしまうような怪人化を匂わす描写や、それらを抑制する等の関係する位置でマスクやスーツが必要な設定にしてくれたことにはもう興奮。本来仮面ライダーは醜く変わってしまう自分の姿を隠すためにマスクを付けているので、そこから更に設定を付けてより重要なアイテムにしてくれた事は嬉しかったです。

 

また、その怪物と化してしまう姿も額に第三の目が確認できたりと、まるで真・仮面ライダーのシンみたいになるんじゃないか?!と思わせる容姿をしてたりと色々な憶測を呼ぶようなビジュアルは観ていてワクワクしました。ただこれが序盤に少し出ただけで以後全くと言っていいほど出さないで、その設定でもっと話を盛り上げようと活かさなかったのはつまらない選択だなぁと感じました。

 

さらに予告でも興奮してたサイクロンの変形、それによる変身はめちゃくちゃカッコ良かった!正直あのシーンは何回も観たくなるほどでした。あの時代でやりたかった変形・変身映像なんじゃないかなぁ。

ただその風を受けるやり方がバイクで立って受けるっていうのが単純で絵的にもあまりカッコ良さを感じなかったです。自分的にはそこはSICのフィギュア設定にあった、前傾姿勢にてサイクロンとベルトがくっ付く接続システムを採用して、そこから風力を受け入れるようにした方がカッコ良かったように思いました。

 

また、変身に関しては改良を加えた二号はポーズで、一号はサイクロンを使ってというところを一貫して通したのも好印象でした。

 

良かった②:オリジナルからの取り入れ方が上手かった

まぁここはウルトラマンでもありましたが、同じようにSEと演出で昔の映像を彷彿させるような魅せ方をする場面などが個人的にはウルトラマンより良かったです。やっぱりねぇ~あの馴染みのあるSEを使いどころを間違わないで使ってくれるとそれだけでテンションあがっちゃいますよね笑

何よりも冒頭でのクモオーグとの対決では本当に興奮しっぱなし!ライダーのアクションも力強く、迫力も感じることが出来、さらに殺陣とカメラワークであの戦闘員との対決場面を更に洗練して再現してくれたことには胸の高鳴りは抑えきれませんでした。ただ、悲しいことにアクションで良かったのはここで終わり。後半はとても残念と思わざる負えない出来になってたことでのこのギャップが、期待を裏切られたような印象を与えたというのはあると思います。

 

良かった③:意外とハマってた仮面ライダー2号

公開前の発表で柄本佑さんが仮面ライダー2号をすることは分かっていましたがそのビジュアル、1号よりもスラリとしていて並ぶと明らかに不釣り合いに見えた事からそこに一定の不安を抱いてましたが・・・・

キャラが立ってて凄く良かった!

というか流石柄本佑さんというべきか、これが俳優さんの実力というものなのか・・・と納得させられるような演技力で見事な『一文字隼人』を演じてたと感じました。またその俳優の実力でいうと森本未来さん。強者の雰囲気を見事演じ、その場に緊張感を漂わせてくれる演技力を魅せられるとこれまた俳優という職業がもたらす影響というものは凄いなぁと実感しました。

 

良かった④:サイクロン号のジャンプ

あれは斬新で面白くて良かったです照れ

 

とまぁ手放しで良かったと思えるのはここら辺りですかね

 

※ここからは個人的に良くなかったと思う点を述べていきます。

 

良くない①:仮面ライダーに自分が抱くヒロイック感が全く無い

僕の中の正義のヒーロー像は『他人のために理不尽な悪に立ち向かう姿』です。その像は仮面ライダーにも幼心ながらにその姿を見て育ててきたと感じています。

なのでシン・仮面ライダーにはもちろん、そのヒロイック部分を期待して観てた訳ですが、それを感じることはありませんでした。

それもそのはず、今回のライダーでは敵対する巨大組織ショッカーに『理不尽な悪』があまり感じられないような見せ方で物語が描かれているのです。PR動画でレッツゴー・ライダーキックを流してたくせに全然地獄の軍団をしてないし、我らを狙ってないです。

この世の人々に対して脅威があるような描写も無く、ひっそりとしてるショッカーのアジトへ終始こちらからガンガン攻めて潰しに行くように映る姿には自分の思っていた仮面ライダー像と重なることはありませんでした。

 

良くない②:共感し辛い人物設定

そして何より本郷猛の人物設定が残念でした。というか人物設定に関してはウルトラマン同様雑過ぎるというか、語ってる部分が浅すぎるともとれるし、全て語るには尺が足りないような深さを持たせ過ぎなのか、ここは後でも語りますが要するに映画を作るのが本当に下手くそだと思います。

 

そもそも本郷の設定が引きこもりの優しすぎる人で、昔に警官だった父が犯人(ショッカー関係無し)を取り押さえようとしたところ刺されてしまい死んでしまう場面を猛は目撃していて、それにより”人を守る力が欲しい”という考えがあったみたいなんですが・・・・それだけの理由で同意があったか分からん感じで勝手に改造人間にまでされて、ショッカーと戦えって・・・・ん?(まぁ彼の目的はルリ子を守るですけど洗脳無しになぜそこまで関係の浅い人間相手にその願いを忠実に守ろうとするのか?博士との深い関係の話も無い)。さらにそれを発狂するくらい動じる描写も無く受け入れられる強靭な心があると思いきや、終盤まで人と話すときはプルプル震えてるコミュ障のまま、戦う時は普通に戦うといった代わり映えの無い姿を見せて全く成長という成長をこちらが感じにくいまま進む物語は正直退屈でした。最初は力に溺れたりともうちょっと心境の変化を大きく描けば展開も大きく出来たと感じます。

 

さらに庵野作品の女性って気が強い人ばっかで守る立場で見にくくないですか?

またその守るべきルリ子を守れなかった要因が”ルリ子がピンチに陥って”とかでは無く、全くルリ子を狙ってない二号と一号の争いで一号が負傷したところを、たまたまクモオーグを慕ってた後輩君1人に刺されてしまうという・・・全く関係性を活かせてない演出かなぁと、ここも退屈でした。正直守ってたと感じる描写が僕の心には全く残ってないのはどうなんだろうか・・・

 

良くない③:ショッカーオーグにも仮面

ここの点は僕は否定派ですね。仮面ライダーの本来の仮面の意味、そしてこの映画本編で本郷自身が『オーグじゃなく仮面ライダー』と名乗った意味としても、仮面はオーグ側と線を引く重要なキーアイテムとしとくべきだったと思います。正直ライダーのキモである怪人を仮面で処理するあたり特撮好きのすることなのか、非常に疑問に思いました。

さらにその点がショッカーオーグのそれぞれの個性を消していたようにも感じます。唯一仮面無しのコウモリオーグはCGこそ残念でしたが持っている個性が一番色濃く出てたと思いました。

 

最終ボスなんか仮面ライダー0号とか言っちゃいますからね・・・日曜感をまたここで一気に感じてしまいました。

 

良くない④:腐ったCGアクション

旧作に沿った演出だったものの、ライダーのアクションとしてとても素晴らしかった冒頭とは打って変わってその後は粗の目立つCGアクションのオンパレード。特に対二号ライダー、ショッカーライダーと見せ場でなければならないところであのつまらないCGアクションをモリモリにして、一切見せ方で工夫をしようとしないのは本当に技術不足を伺わせます。戦闘合間に実写を挟むカットを入れるなどすればもう少しマシになったはず。前述同様に”本当に特撮好きなのか?”という疑念がここでも湧いてきます。

ショッカーライダーシーンは論外。もう楽したかったにしか思えません。CGもチープさを目立たせないように暗くしたんじゃないかと勘繰ってしまいます。

 

良くない⑤:曖昧すぎる『プラーナ』

今回の改造手術で力を得るための重要なキーアイテムとして度々出てくるプラーナ。それはある種のエネルギーですがその解釈が多様過ぎて便利過ぎる道具となっている気がします。ある時は能力強化のエネルギー、また放出して相手を威圧したり、洗脳の為のエネルギーとして使われたり、そして魂としての解釈もあり、そこら中に存在しているものだったり、資源としての見方もあったり、その受け渡しも可能だったり。

そんなエネルギーを人型に戻るために排出したりと・・・もうなんでもありすぎなこの感じを順を追って見せるわけでもなくいきなり改造!洗脳!魂!と使われる感じですっごい曖昧なもので終わった感じがして面白く無かったです。

もうシン・ユニバースに繋げたくて繋げたくて、って浅い考えを匂わせる道具としても捉えられました。

 

良くない⑥:寒いエロギャグ

なんというか・・・シン・ウルトラマンで樋口さんのせいにしてたけど・・・やっぱこの人だったんだって印象。

こういうのを入れたいのかもしれないけど、だとしたら作ってる本人が手掛けてる作品の空気を全く読めてないんだなと思いました。つまりシン・ウルトラマンも然り、観る人の事を考えない本当に自分の好きなように作ったオ〇ニー作品に感じました。良く言えば庵野さんっぽい作品。ただこれが庵野さんっぽさというなら僕はこの人の作風には興味無いかもしれません。

 

とまぁパッと思いついただけでもこれくらいで、細かいところでいうとまだまだいっぱいあるんですが流石に一旦ここで☆を付けて締めようと思います。

総評

☆☆★★★

仮面ライダーはカッコイイ!話はつまらん!です。

 

 

最後に

 

僕なりに感じた庵野秀明という人について

以前の感想でも分る通り、僕はシン・ウルトラマンで肩透かし喰らってる身ですが”これは樋口って人のテイストのせいだろ!”っていう思いも大きかったので笑 再び今回、このシン・仮面ライダーをまた期待しながら観に行ったわけなんですが~・・・

 

なんも変わりませんでした・・・・ネガティブ

 

シン・仮面ライダーがああならシン・ウルトラマンも間違いなく庵野作品。ということは自分は庵野さんを全く理解してなかったんだな、というのが今回で分かったと思います。

 

特に同じと感じたところはやはり、映画としては浅い人物描写のストーリーを描いているところ。そして空気を無視してぶっ込む寒い変態ギャグ。・・・どうやら庵野さんの実写で人を使って描く映画はこういうものみたいです。

 

では何で勘違いを起こしたのか・・・それは自身今でも傑作として疑わないシン・ゴジラの存在です。

 

シン・ゴジラの脚本は本当に素晴らしい。あれほどゴジラという生き物に惹かれる話を作った人がなぜ?

 

このことからだんだん見えてきたのが庵野秀明という人は実写の映画で『人』を描けないんじゃないかという事です。

 

考えてみればシン・ゴジラは人を深掘ることは無かったですし必要はありません。また実写とアニメでは表現の手法が違い、アニメの方がとても広い表現手段があります。さらにその違いは受け手の観る目にもあると思います。それはアニメの実写化で感じる違和感で実感してるのではないでしょうか。

 

さらにこのストーリーの作り方が狙いじゃないと思わせる所もしばしば。今回の仮面ライダーでは蜂オーグとのセリフ回しでなんか妙にアニメ臭さを感じ取りました。それにこの程度の人物描写をしといてそこから感動の雰囲気をめっちゃがんばって乗せにくる辺りに、この人はアニメと実写のやれることの違いを捉えられてないんじゃないか?とも感じたわけです。

 

つまり庵野秀明という人は”シン・ゴジラは苦手な要素が要らなくて偶々当たったアニメーターの監督”という認識が正しいんじゃないか、というのがここまでのシン・シリーズを観てきて至った僕の結論です。

なのでアニメとしてのほうが扱いやすいCGを変に駆使してしまっているように思うのです。

 

とまぁ立派に能書き垂れてますが、そうはいっても映画の観方なんて人それぞれなので結局は僕の中の映画の定義に見合ったものを庵野さんからは提供してもらえない、というだけのことなんですけどね。なのでこれからまた興味の引くシン・シリーズが出てももう初日に行くような事は無いと思います。

 

それでもまたテレビで観ると面白く観れるのかなぁとは思います。何故か