「2029年ショック」(連載:第30回)
2024年春にマイナス金利が解除されてから、変動金利型の住宅ローンが今後どうなるのか、不安を感じている方は多いと思います。
ただ、ここで一つ知っておきたいのは、金利が上がったからといって、すぐに毎月の返済額が増えるとは限らないということです。
その理由の一つが、変動金利型ローンでよく見られる「5年ルール」です。
これは、金利が見直されても、毎月の返済額そのものはすぐには変えず、一定期間は据え置く仕組みです。
今の返済額が変わっていないと、ひとまず安心したくなるかもしれません。
けれども、実際には返済の中身が少しずつ変わっていることがあります。
返済額が同じでも、金利が上がれば利息の負担は重くなります。
その分、元金の減り方がゆるやかになり、ローン残高が思うように減らないことがあります。
つまり、目の前の返済額は変わらなくても、将来に向けた負担が少しずつ積み上がっていくことがあるのです。
こうした仕組みを見ると、5年ルールの5年は安心して過ごせる期間というより、家計を整えるための準備期間と考えたほうが実情に近いかもしれません。
返済額が上がってから慌てるのではなく、まだ変わっていない今のうちに、家計にどれくらい余力があるか、貯蓄を増やせるか、働き方を見直せるかを少しずつ確認しておくことが大切です。
変動金利を選んだこと自体が問題なのではありません。
大切なのは、返済額がまだ変わっていないこの時間をどう使うかです。
次回は、実際のシミュレーションを見ながら、返済額や将来のローン残高がどのように変わりうるのかを、もう少し具体的に整理していきます。
ファイナンシャルプランナー・IT講師
川淵ゆかり
厚生労働省 1級FP技能士
経済産業省 高度情報処理技術者
https://yukarik-fp.jimdofree.com/
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