先週の金曜日、私は大阪へ移動するために新幹線に乗っていましたが、台風の影響で列車が止まり、結局4時間も遅れることになりました。
そのため、先週のメルマガを配信できませんでした。
自然の力の前では、人間の計画や予定がいかに脆いかを改めて感じさせられる出来事でした。
そしてそれは単なる一度きりの交通トラブルではなく、今後ますます頻度が高まる気候変動による影響だとしたら…。
昨日も、急な積乱雲の発達によって雷雨が発生し、各地で川の氾濫や床上浸水といった深刻な被害が相次ぎました。
都市部でも道路が冠水し、地下空間に水が流れ込み、一時的に交通が麻痺した場所もありました。
このような気候変動の影響によって、短時間に大量の雨が降る現象は年々増えていることが観測データからも明らかになっています。
これまで数十年に一度とされたような規模の大雨が、今では毎年のようにどこかで発生しています。
その結果、私たちの生活や移動はますます不確実なものとなり、住まいの選び方にも大きな影響を与えています。
これから長期的に温暖化が進めば、台風や豪雨による被害は避けられないだけでなく、海面上昇や猛暑による健康被害といった新たなリスクも現れると予測されています。
そうなると、一生に一度の大きな買い物として「家を買う」というのは、本当に正しい選択なのかと考え直す必要があるのではないでしょうか。
郊外に持ち家を構えることは経済的には魅力的に見える一方で、災害時に交通やライフラインの復旧が遅れる可能性が高く、また将来的に人口が減少する地域では資産価値が下がるリスクも避けられません。
加えて、一度購入してしまえば簡単には移動できず、気候変動によってその地域が住みにくくなった場合の対応が難しくなります。
その点、都市部での賃貸住宅は、災害への対応力と柔軟性の両面で優れています。
まず、都市部は医療機関や行政機能が集中しているため、災害後の復旧が比較的早く、必要な支援を受けやすいという利点があります。
また、大きな被害を受けても、賃貸であれば契約を更新せずに別の場所へ移り住むことが可能であり、リスク分散の観点からも有利です。
さらに、東京都などの大都市には都営住宅や区営住宅といったセーフティーネットも用意されており、最悪の場合でも住まいを失う心配を軽減できます。
このように考えていくと、気候変動という長期的で避けがたいリスクに備えるためには、資産として家を持つことよりも、柔軟に動ける賃貸という選択肢のほうが合理的であると結論づけられます。
自然災害が頻発し、どの地域がいつ被害に見舞われるか分からない時代において、居住地を固定するのはむしろリスクになり得ます。
都市部の賃貸は、その時々の状況に応じて住まいを選び直せる自由を持ちながら、災害からの回復力も享受できる住まい方です。
これからの時代、私たちに求められているのは「どこで資産を築くか」ではなく、「どのように身軽に生き抜くか」であり、その答えのひとつが都市部での賃貸住宅だと考えます。
