先日、甥っ子から「給料から残ったお金をNISAやiDeCoに回すべきか、それとも自己投資をするべきか」と相談を受けました。

今の若い世代は、物価や税負担の増加でお金を貯めるのが難しい中、将来のためにどうお金を使うかを真剣に考える必要があります。

 

 

そこで、私はまず、「生活防衛資金」をどうするかを聞きました。

一般的には、生活費の3〜6か月分を現金で確保することが推奨されます。

しかし、甥っ子の場合、実家暮らしで、両親や祖父母も健在です。

いざというときに頼れる環境が整っており、借金もありません。

さらに正社員で安定収入があります。

となると、生活防衛資金をストックしておくより、余剰資金を有効活用する方が合理的だと判断しました。

 

次に、自己投資と金融投資、そして投機のバランスをどう取るかを考えました。

甥っ子は、スキルアップや副業にも関心を持ちつつ、暗号資産やFXといったハイリスク投資にも興味を示していました。

ここで大切なのは、攻めと守りのバランスです。

すべてを投機に回すのは危険ですが、投機を完全に排除する必要もありません。

「なくなっても生活に影響しない額」で挑戦すれば、経験も得られ、万一当たれば大きなリターンを得られます。

 

そこで私は、次の順序を提案しました。

 

まず、将来にわたって確実に資産を積み上げる仕組みとして、つみたてNISAとiDeCoを固定費のように自動積立で始めることです。

これにより、複利と非課税の恩恵を長期間受けられます。

 

次に、余った資金を自己投資に回すことを勧めました。

スキルアップや副業は先々の収入増につながり、一番効率的な投資と言えます。

 

そして最後に、生活費の残金を暗号資産やFXなどの投機に回すことを勧めました。

ただし、「資産の数%まで」「レバレッジは最小限」「勝っても追加しない」などの明確なルールを設けるべきとも伝えました。

 

この方法は、堅実でありながら挑戦心も満たす、非常に合理的な選択だといえます。

つみたてNISAとiDeCoは将来の土台を固め、自己投資は収入を増やすエンジンになります。

そして投機は、失敗しても人生を揺るがさない範囲で刺激を与え、成功すれば資産形成を加速させます。

攻めと守りを同時に実現するこの組み合わせは、若いうちだからこそ可能な戦略です。

 

最終的に、甥っ子はこの方針に納得し、「まずはつみたてNISAとiDeCoを始め、資格取得や副業にも力を入れつつ、余剰分で暗号資産に挑戦する」と決めました。

若いうちにこうしたバランス感覚を身につけることが、将来の大きな差につながるのです。