ある日、友人の家を訪れたときのことです。

友人には小さなお子さんがいて、私は何かおもちゃを買ってあげる満点で遊びに行きました。

しかし、友人のお母さんの言葉に、少し違和感を覚える出来事があったのです。

それは、本屋へ立ち寄った際、「○○ちゃん、この本、前から欲しかったんだよね~」と、まるで私にそれを買わせようという物言いだったです。

もちろん、何か買ってあげようという気持ちはありましたが、誘導されているように感じたことで、気持ちが冷めてしまいました。

 

また、別の日には、甥っ子に「何かひとつだけ好きなものを買ってあげるよ」と伝えたところ、甥っ子は店で一番高いものを選んできました。

それが本当に欲しいものであるならばと思い、購入しました。

しかし、後で聞いた話によると、その商品に対してそれほど強い思い入れはなかったことが分かりました。

もしかすると、「せっかく買ってもらえるなら、できるだけ高いものを選んだ方が得だ」と考えたのかもしれません。

しかし、その選び方には本心が込められていないように感じ、少し寂しく思いました。

 

 

このような経験を通して、人との関わり方について考えさせられました。

人は誰しも、周囲の協力や応援を必要とすることがあります。

しかし、そのために相手を誘導したり、計算ずくで行動すると、相手は違和感を感じ、信頼関係にひびが入ることもすくなくありません。

例えば、誰かに応援してほしいとき、「私のために手を貸してほしい」と率直に頼むのと、「あなたが助けてくれることになっている」という流れを作るのとでは、大きな違いがあります。

前者は、相手に選択の余地を与え、誠実な気持ちが伝わりやすくなります。

一方で、後者は、相手が「やらされている」と感じることが多く、たとえ手を貸したとしても、心の中では納得していない場合があるのです。

 

「この人のためなら手助けしたい」と思わせるのは、決して駆け引きではなく、純粋な気持ちが伝わるからこそ生まれるものです。

 

人との関係を築くうえで大切なのは、純真なエネルギーで接することだと思います。

計算せず、駆け引きをせず、本心からの言葉で相手と向き合うことが、信頼を生むのではないでしょうか。

人は、自分に対して誠実でいてくれる人には心を開きやすく、自然と手を差し伸べたくなるものです。

だからこそ、何かを頼むときや、人と関わるときには、まず自分の気持ちを正直に伝えることが大切です。

「私はこれがしたい」「あなたの力を借りたい」と率直に言葉にすることで、相手も安心して応じることができます。

逆に、遠回しに誘導したり、計算が見え隠れする態度を取ると、相手は警戒し、本当の意味での協力関係は築けません。

 

人との関係は、お互いの誠実さの積み重ねで成り立つもの。

だからこそ、素直でまっすぐな気持ちを大切にしていきたいと考えてみてくださいね。