先日、忘年会に参加しました。

経営者同士が集まる場だったこともあり、自然と仕事やビジネスの話題が中心となりました。

その中で、「苦手なことは人に任せて、得意なことに集中したほうがいいよね」という話が出て、皆さんがその意見に賛同している様子。

確かに、それは一理ある考え方です。

効率的ですし、ストレスの軽減にもつながりますからね。

 

ただ、その話を聞きながら私は少し違和感が…。

 

 

私は、「人の風下には立たない」「人に生殺与奪権を握らせない」ということが大切だと考えています。

つまり、誰かに頭を下げなければならない状況や、誰かに遺贈しなければならない状況を作らないということです。

 

そして、そういった状況に陥らないためには、まずは自分でできる限りのことをやってみるべきだと思うのです。

苦手な作業であっても、自分で実際に取り組むことで、その作業にどれだけの時間や労力が必要なのか、どのようなスキルが求められるのかといったことが見えてきます。

もちろん、不得手が思い込みだったり、克服して自分の可能性が広がることもあるでしょう。

さらに、自分でやることで、作業の本質に気づけたり、クオリティの基準や適正金額の見極めもできるようになります。

それは自分で経験してみないと、なかなか判断できませんからね。

 

その結果、外注さんにぼったくられたり、足元を見られるリスクもなくなるという…。

 

もちろん、全てを自分でやり続けるのは現実的ではありません。

タイミングを見て、外注に切り替えることも必要です。

ただ、そのタイミングは、まずは自分がやってみた後にするべきでしょう。

 

ちなみに、その忘年会で、私に「苦手なことは人に任せるべきだ」と力説していた方がどんな立場の人なのか気になり、調べてみました。

すると、その方はなんと、私が苦手だと感じている作業を請け負う会社の経営者だったのです。

その瞬間、少し驚きとともに、腑に落ちるものがありました。

「なるほど、そういうことか」と。

意識の高い美談のように聞こえる話でしたが、結局は自分の会社の売上につなげるための布石だったんですね。

危ない、危ない…(笑)

 

他人に頼ることが悪いわけではありませんが、その頼り方を間違えないよう、まずは自分でやってみることから始めてはいかがでしょうか。

そうすることで、自立して物事を判断できる力がつきますよ。