来週(3月7~11日)は米国で8日に貿易収支、10日に2月の消費者物価指数(CPI)や財政収支などが発表される。
欧州では10日に欧州中央銀行(ECB)の理事会がある。世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を宣言してから11日で丸2年となる。
国内では8日に1月の毎月勤労統計と国際収支統計の速報値、2月の景気ウオッチャー調査、9日に21年10~12月期国内総生産(GDP)改定値、11日に1~3月期の法人企業景気予測調査の発表予定。
中国では9日に2月のCPIが発表される。韓国では9日が大統領選の投開票日となり、市場が休み。
国内の新規株式公開(IPO)は1件。
アパート経営支援サービスを手掛けるセレコーポレーション(5078)が11日、東証2部に上場。
【注目ポイント】
▽国内
1月の国際収支速報値(8日)
2021年12月の国際収支統計では、海外とのモノやサービスの取引状況を示す経常収支が3708億円の赤字。
赤字は20年6月以来、1年半ぶりで、原油価格の上昇で貿易収支が赤字になった。サービス収支はインバウンド消費の低迷や、輸入増加に伴った海上輸送の運賃支払いが増えて赤字が拡大。
世界的にインフレ圧力が高まっており、原油など資源価格は高止まりしている。QUICKがまとめたエコノミスト予想によると、1月の経常収支も8828億円程度の赤字(4日時点)と赤字額が拡大する見通し。
▽欧州 ECB理事会(10日)
2月3日のECB理事会の後、ラガルド総裁は「22年中の利上げは物価などのデータ次第だ」と述べた。
年内の利上げに否定的な姿勢から一転したことで、ユーロが急伸した。
月次調査<債券>で、ECBの利上げ開始時期について市場関係者に尋ねたところ「22年後半」との見方が52%、次に「23年前半」が37%となった。
ECBの資産買い入れの停止時期についても「22年後半」が60%と最多だった。市場関係者も今年中にECBが緩和引き締めに動くとの見方が強い。
ラガルド総裁の方針転換の背景には世界的な物価上昇があるとみられるが、24日に始まったロシアのウクライナ侵攻が金融政策にどのような影響を与えるかも注目。
▽IPO
セレコーポレーション(5078)
東証2部に上場(11日)
アパート経営のコンサルティングや設計、施工管理まで手がける賃貸住宅事業を主力とする。赤レンガ調の外壁や洋風の門柱といった外観でオートロックや防犯カメラを備える基幹ブランドの「My Style vintage」や、デッドスペースを活用した「FUSION」などの商品を揃えている。
今後はスマートフォンでエアコンや防犯カメラなどを操作できる「IoTスマートアパート」の導入を目指す。
富裕層向けにアパート経営を提案する賃貸開発事業、保守管理などの賃貸経営事業も展開する。
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