来週(5月28~6月1日)は、日米で経済統計の発表が目白押しだ。
米労働省は6月1日に5月の雇用統計(速報値)を発表する。
6月12~13日の米公開市場委員会(FOMC)での利上げ決定が確実視されるなか、賃金の上昇率などが先行きの利上げペースをめぐる市場の観測に影響するかが焦点になりそうだ。
5月30日には米民間雇用サービス会社ADPが雇用統計の前哨戦となる5月の全米雇用リポートを発表。
1~3月期の米国内総生産(GDP)改定値の発表もある。
米連邦準備理事会(FRB)は同日(日本時間31日)、6月のFOMCの討議資料となる米地区連銀経済報告(ベージュブック)をまとめる。6月1日は5月のISM製造業景況感指数の発表がある。
国内では、財務省が6月1日に1~3月期の法人企業統計調査を発表する。
法人企業統計の結果は6月8日に発表される1~3月期の国内総生産(GDP)改定値の設備投資に反映される。
このほか5月29日に4月の有効求人倍率と完全失業率、同31日に4月の鉱工業生産指数(速報値)が発表される。
新規株式公開(IPO)は1社。
シェアリングエコノミー(共有経済)を活用した印刷や物流サービスを手がけるラクスル(4384)が5月31日、東証マザーズに上場する。
6月19日に東証マザーズに新規上場するフリーマーケットアプリのメルカリ(4385)の仮条件が6月1日に決定する。
以前から注目されていたIPOで上場時の時価総額は2000億円を超えるとの見方もある。
5月28日は米国市場がメモリアルデー、英国市場がスプリングバンクホリデーのため休みになる。
トランプ米大統領は5月24日、6月12日にシンガポールで予定していた米朝首脳会談の中止を発表した。朝鮮半島情勢の不透明感が再び強まり、金融・資本市場で運用リスクを回避する動きが広がる可能性がある。
【注目ポイント】
▽日本
1~3月期の法人企業統計(6月1日 8時50分)
ソフトウエアを除く全産業設備投資が1~3月期GDP改定値を算出する基礎となるため、注目が集まる。5月16日発表のGDP速報値は前期比年率0.6%減と9四半期ぶりのマイナス成長となった。設備投資は通信機械分野が振るわず0.1%減と6四半期ぶりにマイナスとなったが、法人企業統計を反映させた段階でプラス圏に浮上するかどうかがポイントか。
▽米国
5月の雇用統計(6月1日 日本時間21時30分)
4月の雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比16万4000人増と市場予想を下回った一方、失業率は3.9%と約17年4カ月ぶりに3%台に改善した。
米政策金利の市場見通しを示すシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の「Fedウオッチ」によると、6月のFOMCでの利上げ確率は足元で90%を超えており、ほぼ織り込み済み。最新の雇用統計の内容次第では、その後の利上げ論議がかまびすしくなるかもしれない。6月のFOMCでは先行きの政策方針を声明文に記す「フォワード・ガイダンス」が見直され、「緩和的」との文言が消える可能性がある。
▽IPO
ラクスルがマザーズ上場(5月31日)
印刷のシェアリングプラットフォーム「ラクスル」を運用し、インターネット上で名刺やチラシ、ポスターなどの印刷物を販売している。自社で印刷工場を持たず、提携する全国の中小印刷会社に印刷を委託。印刷会社の不稼働時間を活用し、小ロットの印刷を低価格でユーザーに提供する体制を整えている。空き時間を待つトラック運転手を活用した物流のシェアリングサービス「ハコベル」も展開。17年7月にはヤマトホールディングス(9064)と資本提携した。
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