
来週(9月1~5日)は2日に発表される7月の毎月勤労統計に注目。
ベースアップ(ベア)を実施する企業が広がり、6月は基本給にあたる所定内給与が2年3カ月ぶりにプラスに転じた。
ただ、現金給与総額から物価上昇分を差し引いた実質賃金は12カ月連続で減少。
賃金や雇用に関する最新動向は、日銀の金融政策や、年後半の景気回復の鍵を握るとみられる個人消費を見極めるうえでも関心が集まりそうである。
3~4日は日銀金融政策決定会合が開かれる。
4日に黒田東彦総裁が会見予定。
海外経済指標にも注目。
2日、公表の8月米ISM製造業景気指数
3日、7月の米製造業受注
5日、8月の米雇用統計
国内のマーケット関連では、9月中旬以降に再開する新規株式公開(IPO)の各条件決定が予定。
ジャパンインベストアドバイザー(JIA、7172*J)ロックオン(3690*J)の公開価格
ジェネレーションパス(3195*J)リボミック(4591*J)の仮条件がそれぞれ決定する予定。
政治は、3日の内閣改造・自民党役員人事。
安全保障法制担当相や地方創生担当相の新設、女性閣僚の積極登用方針など。
【ポイント】
▽日本 7月の毎月勤労統計(速報、2日10時30分)
6月は従業員1人あたり平均の基本給や家族手当などの所定内給与が前年同月比0.2%増の24万2830円となり、2年3カ月ぶりにプラスに転じた。
ようやく正社員にも基本給の増加の動きが見られた。
ただ、消費者物価が賃金を上回るペースで上昇し、実質賃金は3%を超える減少。
家計にとっては消費増税の負担が重くのしかかっているようだ。
▽米国 8月の米ISM製造業景気指数(日本時間2日23時)
7月は前月比1.8ポイント上昇の57.1と2カ月ぶりに上昇し、2011年4月以来の高水準となった。
構成項目のうち、新規受注や雇用が大幅な伸びを示したことが寄与した。ISMによると「調査対象者のコメントは一部で地政学リスクへの懸念がみられるが、おおむね楽観的」
米国では量的金融緩和策が10月にも終了する予定で、次の焦点は利上げの開始時期。
イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は、米経済動向を見極めながら利上げの開始時期やペースを慎重に判断する方針を示す。今回のISM指数でも前月に続いて生産や雇用など重要項目の景況感改善を伴った上昇がみられるか注目。
▽欧州 7月のユーロ圏小売売上高(日本時間3日18時)
6月は前月比0.4%増と3カ月連続でプラスとなり、伸び率は1月以来の大きさだった。
前年同月比では2.4%増えた。ウクライナ問題を巡るロシアとの対立を受けた企業の景況感悪化などを背景にユーロ圏全体では景気の下振れ懸念が高まるものの、個人消費に関しては堅調に推移している。
ユーロ圏では低インフレが懸念されているが、このところの物価低迷はエネルギー価格の下落が主因のため、むしろ個人の購買力にプラスになっているとの声も。
