それは、3カ月に一度やって来る。確実にやって来る。

恐怖の足音が聞こえて来る。近づいて来る。

 

3カ月の間、この日の為に猛者、いや勇者達が来る日も来る日もタイトルを取る為に勉強に励むのだ。

足繁くあすぴれんとに通い、病気や障害等様々な事を学ぶ。

 

死線?を潜り抜けてもなお絶望?の淵を彷徨う者も居ると風の噂に聞く。

 

テストの当日、「王座」の称号を賭けて、チャレンジャー達がライバルと設問とに火花を散らしながら相見える。

 

それは、「無差別級タイトルマッチ」というプログラムが出来てから3年目の春の事だった。

幾度となく敗れ続けた人間が、挑み続けた人間が、心の底から笑顔を見せた瞬間だった。

 

写真に写る男の肩には、チャンピオンベルトが掛かっていた。

控えめに喜ぶ男の姿がそこに在った。