古くからの友人に依頼されて85名の社員に講演をしました。その会社には、前前職で部下だった者がいます。17年前のことです。前前職のときには、私は45歳、部下は28歳でした。彼は有名な工業大学大学院の出身で、明らかに頭脳明晰でした。また、同じ部署には、私より3つ下の42歳の社員がいました。その社員は、酒が大好きで、ギャンブルと風俗大好き人間でした。2人とも私の席の目の前の席で仕事をしていました。その2人が同じ会社に転職しています。
あれから17年が経過しました。17年後の現在は、45歳の頭脳明晰な部下が、日の当たらない部署でひっそり仕事をしています。59歳の酒好きな同僚は、今や役員になっています。何が基準で出世が決まるのかは分かりません。仕事の成果ではないことははっきりしています。真面目なだけでは出世はできません。人事権があり、将来出世しそうな上司につくことが大事だと思います。出世は、人事権のある人の好き嫌いで決まります。
仕事が終わり、45歳の元部下と飲みに行きました。17年ぶりです。駅から少し離れた場所にある小さな居酒屋です。一緒に仕事をしていたときのことを思い出しました。彼は、曲がったことが大嫌いな真面目な社員でした。鈍感力があるので、ストレスにも強く、過酷な環境でも心の病にかかることもありませんでした。私と同じで人間関係の計算ができないので出世ができないのだと思います。独身だということです。
一緒に働いていた同僚の近況も聞きました。人生はいろいろあります。幸せの基準は人によって違います。客観的には評価ができませんが、みんなが幸せを感じていれば良いのにと思いました。