風が強かった。




僕が到着した同じ頃にもう1組の男女2人のキャンパーも入った。男女ペアだからこれはもうカップルっしょ。少し前にテレビ番組の話題で『牡蠣小屋に異性2人で来るってことは間違いなくカップルっしょ。』よりも確実にカップルだと言えよう。


ま、それはいいとして、この日は風が強かった。テントを建てるのに四苦八苦した。慣れてるし、ソロテントだし、風で飛ばないように荷物の置き方一つもわかってきてる。それでもこの日は手こずった。


キャンプ場のリヤカーを借りて荷物を車から下ろす。3回目なので今まで建てたところとは違う雰囲気になるよう居場所を決め、荷物を下ろす。とにかく風が強いから、テントを建てようとテントを. . . . . . 


あれ?テントがない。え?クルマに入れた記憶は. . . . ない。. . . . まぢ?嘘だろ。


どうする?タープでテントを作るか?いや、小さすぎるだろ。じゃじゃじゃ、大きなブルーシートがあるから、それで。うーーん、ちょっと恥ずかしいなぁ。いやいや、恥ずかしいなんて言ってられないよ、この風、この寒さで。


いやいや、んなことないよ。きっとクルマにあるよ。しかし参ったな、もし無かったら家まで取りに帰る?うーん、1時間以上のロスタイムじゃないか。


そんなことが走馬灯のようにって言うか何て言うか、とにかく焦りまくる。




クルマの後部座席のドアを開けてみる。



あるじゃん!



イヤンもう、やめてよぉ。なんで1番大事なテントだけをクルマに残すのよー。


. . . . . 。



って、1人で焦りながら、ホッとしながら、オネエになりながら設営している中、僕以外にも苦戦しているキャンパーがいた。


ペアで来たキャンパーだ。建てようとしているテントは『その中でちょっとしたサーカスでもやるのかい?』って言いたくなるくらい大きなテントで、風が吹くたびに風をモロに受けちゃって、安定しない。


『まずは、風上にペグを打ちなさいよ。』


んー、そういう問題じゃなかったのかな?

こっちも大変でね、終始見てた訳じゃないから、正確な事はわからないけど、1時間以上格闘してたのかな?どちらかと言うと女性の方がアウトドア派って感じだったんだけど、でもテントがうまく建てられず無念の帰宅。オイオイ。風でうまく建てられなかったのか、それとも大事な部品を忘れたのか?うーん、助けようにもね、なんか男の方に気を使うしなぁ。それに小さいテントしか建てたことないから助けられるかどうかも分からないし。せめて助けを求めてくれたら何かできたかもだけど、. . . ねえ。


つづく