その数分間の間に何が起こったのだろうか?戻って来てみたら5、6人の助産士(?)が集まっていた。集まった中の一人の助産士が「鉗子分娩で出そうと思いますが、御主人いかがでしょうか?」と。さらに「この鉗子分娩は20数年前に一度、赤ちゃんの頭蓋骨にヒビが入った事がありますが、それ以降はミスはありません。」と。いわゆる裁判などにならない為のリスク説明。とは言えこれだけ長時間妻が苦しんでいるのをずーっと見ていてNOとは言えない。速答した。
鉗子分娩とは...簡単に言うと赤ちゃんの頭を器具を使って掴み引っこ抜く方法。デッカイフォークとスプーンを掛け合わせたような形状のものが2つ、それをクロスさせ掴むんだろうか、一瞬見ただけなのでパッと見の想像だがおそらくそんな感じのものだった。
助産士が「ワンチャンスに賭けます!」と言った。そこまで切羽詰まった状況ではなかったと思うが妊婦と自分達にプレッシャーをかけたのだろう。少しでも出易くなるよう、少しメスも入れた。そして、次の陣痛で見事赤ちゃんが引っ張り出された。
20時28分、3188gだった。出てきて数秒後、オギャーと泣いた。一安心である。
僕が思うに、宇宙一かわいい赤ちゃんが誕生した瞬間でした。妻は本当によくやりました。