壁宿 壁水貐





精神と物理の対話は同じもの。



武術の極意とは
争いが起こることを回避することにあります。


武と聞くと暴力や争いを
イメージしやすいですが、
実は生活の知恵でもあるのです。



生活とは字で書いて
生きるために活かせることです。


争いばかりをすれば常に命は狙われ、
いずれは致命傷を負ったり、
命がなくなることもあります。



そうならないために
一番いいのは争わないことと
結論するのは必然でしょう。


ただ、当然自分から争いを招かなくても
巻き込まれることもあります。



そういう時にこそ武力を使うのです。




合気道で有名な塩田剛三先生のお弟子さんが

「一番強い技はなんですか?」と
師に尋ねたところ
「それは自分を殺しに来た人と友達になること」と答えたそうです。


これは実に的を射てますね。



本当の意味での武術とは和を重んじ、
そして他者と合わせ怒りや暴力を
散らすわけです。


面白いことにこれは言葉にも精通します。



何故なら言葉一つとっても
人を傷つけ争いに発展することもあるからです。


言葉にも和があり、
相手に合わせたり、
ズラしたりすることにより

争いに向かないようにすることは
武術となんの違いもないのです。



武術が生活の知恵というのは
人との対話、コミュニケーションからして
既に始まっているからなのです。




和道合一すれば
我が身に一切の敵いなくなる。


これすなわち無敵である。