「うーん」
俺は、魔法の袋の解析に悩んでいた。
この袋、外側は普通の皮袋なのだが内側は空間魔法らしい。空間魔法と言われても、ピンとこない。
空間とは、ある一定の広さを言うのだが・・・次元?・・・1次元とは点だし、2次元は線・・・3次元は立体・・・・時間?・・・
「ご主人様、何を悩んでいるの?」
たまごが心配して声をかけてきた。
「お前に言っても、わからないだろうが・・・空間魔法とは、なんだろうと」
「そんなの簡単じゃーん。魔法は想像力だよ? 想像すればいいだけー」
たまごに気づかされるなんて・・・さすが大物?だ。
「悩みも消えたみたいだし、滑ってくるね。いこ あまいちゃん」
「いってきまーす」「いってきます」
あれ以来、スノボは二人のお気に入りだ。
とりあえず、皮袋を作って手に持ってみた。袋の中に無限の空間と、ついでに時間が経過しないも足して想像してみた。
中を覗くが普通の皮袋だった。とりあえず近くにあった皮袋の製作で余った皮紐を入れてみた。
「あれー?」
皮袋を覗くと皮紐が消えていた。革紐が、どこに行ったんだろうと思っていると革紐が出てきた。物を思い浮かべると出てくる仕組みらしい。
そうと分かれば、まずは紙を作って帳面と、筆・墨・硯(すずり)の製作だな。書いておかないと何を入れたか忘れるからね。
外に出て、近くの木を魔法で切り倒し粉砕して その辺にある雪と混ぜて 繊維だけ取り出して、水分を取りながら数ミリの厚さに均す。適当な大きさに切り 穴をあけて、紐で束ねれば完成だ。膠(にかわ)で接着しても良かったが、千切って捨てる時に他の部分まで千切れると面倒くさいので紐で束ねた。魔法って便利だよね。
次に、台所の煤(すす)を集めて 膠と混ぜ四角く整形し乾燥させれば固形墨の出来上がりだ。
覚え書きの準備を終えて、いろいろな物を袋に入れる事にした。
つづく