「おめでとう?」
たまごが不思議そうに言った。
「おめでとう でも、なぜ?」
あまいも不思議そうに言った。
「おめでと・・・ん? 年が明けたから年神様が来てくれる事と、お前達が、ひとつ年を取った祝いだな」
「としがみさま?」
たまごが言った。
「年神様とは、先祖の霊だったり山の神様だったり人によって違うのだが、家を守るために来てくれる神様だよ。来てくれる事が、おめでたいから・・・おめでとうと言うんだよ」
「年を、とるのは?」
あまいが言った。
「1月1日は年に1回しかない日なので、1年間無事に過ごして ひとつ年をとれた事が、めでたいから・・・おめでとうと言うのだ」
この世界は昔の日本と同じで、みんな1月1日に年をとる数え年を採用しているのだ。
たまご 1歳 目がクリクリなプードルで、大物? 食いしん坊である。
剣の腕は中級・魔法の腕は初級?・・・大雑把で威力の加減が出来ないから初級だ。魔法量は底が見えない。
追伸、不器用者だ。
あまい 1歳 ますます魔法使いの横が似合うようになってきた黒猫。
剣の腕は中級・魔法の腕は中級?・・・大きな魔法も繊細な魔法も使えるが、俺に届いてないから中級だ。魔法量の底は見えない。
追伸、生意気だ。
50㎝程の卵が、こんなに大きくなって? 1つ年をとったのは語るも涙・・・だな。
遊人 19歳 他人に興味が持てない、面倒くさがりな人間。
剣の腕は中級・弓の腕は上級・魔法の腕は中級?・・・どんな魔法も使えるだろうが魔力量が、まだまだである。
追伸、魔力量は瞑想により上昇中
俺も、誰もいない森に投げ出されて よく無事でいられたものだ。のんびり生活できると思ったのに、2匹が増え・・・いろいろ大変だが、それもいいだろう。
「さあ、食べていいぞ」
「わーい」「いただきます」
2匹が食べている物は醤油が無いので塩味の雑煮・伊達巻・栗きんとん等の おせち料理だ。
おせち料理を食べ終わった2匹は文字板でしりとりをして遊びだしたので俺は瞑想する事にした。
つづく