「お前達、これが氷と言うものだ」
出入口から出た俺は、確認窓から出入口へ縦に続く氷のトンネルを途中で切り取り、一部をフタに利用し屋根を作って 残りを横につなげて通路にした。この作業で余った氷を2匹に見せて説明していた。
「水溜りの表面に出来る薄い物も氷だが、魔法を使う時は俺の作った この氷を基本に想像するようにしようね。あまい、この氷を炎で炙ってみろ」
「えっ!! 融けないじゃん」
「あまいちゃん 私にも、やらせてー」
「たまごは駄目だぞ! 下手したら拠点を燃やすからね」
「いーーーーーーだっ」
たまごは少し拗ねているが拠点が無くなれば・・・想像しないでおこう。
「この氷は絶対零度を想像して、小難しく言うと分子の熱量を最小限に・・・・。炎で炙り続ければ融けるのだが普通の氷より融けにくく、春まで俺が作った部分は融けないと思うよ」
説明が終わった所で、立ち眩(くら)みがした。
「この先は、お前達で頑張りなよ。俺は瞑想するから」
「えーーー」「無理です」
2匹が無理だと言うが
「途中で見にくるから、頑張れ」
「・・・・・」「・・・・・」
魔法は想像力なので、見たままを想像すれば いいだけなのだ。俺は自分自身の魔力不足を補う為に2匹を放置し瞑想する事にした。
瞑想は、周りの自然から力を取り込むように想像するのが基本である為、少しだけ魔力も回復する。
魔力がある程度、回復したので2匹を見に行く事にした。
「ごしゅじんさまー」「出来ませーん」
数時間、過ぎているが、全然・・・進んでいなかった。
「昼飯にしようか?」
「ごはんも大切だけど・・・」
たまごが言った。昼飯を抜かなければならない程、お手洗いは大切らしい。
仕方が無いのでお手洗いまではトンネルをつないで昼飯にした。2匹は、おいしそうに食べていたが俺は魔力不足の為に、昼飯抜きで瞑想をしていた。
「昼から訓練場の雪を魔法を使って上手く処理しといてね。上手に出来たら肉が主役の夕飯、出来なければ野菜中心の夕飯な」
「たまごちゃん、行くよ」
「まってー あまいちゃん」
氷を作る事が出来なかった あまいは、たまごを連れて訓練場に向かうのだった
つづく