はじまりの夢49 | 遊人 World

遊人 World

この世界の物語はフィクション!! 気分で? 音楽・魚・植物等
(トラブル防止の為、二次使用禁止)

「いたっ・・・もう少し優しく」

 

背中の傷に貼った薬草をはがしていた。そんな事を言われると・・・

 

「いだっ いたたたた 鬼か!!」

 

一気にはがしてやった。

 

「それで、君の名前は?」

 

「私の名前は花、鉱石を中心に宝石や装飾品等の商売しています。体は売ってませんが私の体を見た料金は請求しますよ」

 

薬を塗る指に力が入る。

 

「痛いって、そういう戯(たわむ)れはお断りです」

 

薬を塗る指に、ますます力が入る。

 

「すいません 私が間違っていました。」

 

指の力が抜けたようだ。

 

「しょうがねーだろ、全身傷だらけの上に薄汚れていたし」

 

「汚れていたのは、わかりますが・・・傷は無いですよね? 私の体が目当てなんですか?」

 

意味が分からない、顔は美人でスラリとしているが出るとこは普通であり・・・

 

「何か言いたそうな顔してますが?」

 

俺は焦りながら

 

「傷が無いのは薬が効いたからだし、お金は一切持っていないので請求されても払えないぞ」

 

「何言ってるの? そんな簡単に傷が治るわけないでしょ? そんな薬と言えば最高級品質でも無理、神秘級なら別ですが簡単には手に入りませんよ? 若いから見たいのはしょうがないですけど、38歳をこ・・・永遠の38歳の体を見たってしょうがないでしょう。こんな辺鄙(へんぴ)な森に住んでいるからお金は持ってないのは、わかりますけど ガハハハ」

 

彼女は豪快に笑った。 あれ? 若いから?

 

「花ちゃんから見たら俺は何歳くらいに見えるの?」

 

「花ちゃ・・・まぁいいわ。少し変わった人みたいだしね。普通それは女性が聞くものだけど、18歳くらいでしょ?」

 

鏡を見ていないのでわからなかったが、どうやら18歳らしい。今日から年齢不詳ではなく18歳だな。

 

「あとの傷は自分で塗ってね。料金は払えないので・・・それよりも変な人に見えるの?」

 

背中の傷の治療が終わったので傷薬を花ちゃんに渡す。

 

「まぁ、普通の人は怪しむわね? ほかに大人の人がいるなら別だけど、こんな辺鄙な場所に若い子が1人でいるし犬猫と会話してるからね。精神感応能力を知らない人は変な人だと・・・ えーーーーーー!!」

 

俺でも変な人だと思うかもしれないな

 

「これって・・・」

 

俺が渡した傷薬を真剣な目で見つめている。

 

「傷が見る間に治るから解析で確認したけど、どこで手に入れたの? これ神秘級の傷薬やん」

 

「俺が作った薬ですけど?」

 

「はぁーーーーーーーーーーーーー? ありえないわ!」

 

「嘘を、ついても意味ないでしょ?」

 

「それもそうだけど・・・高水準のの薬剤師が作っても極稀にしか出来ない物だよ? 最低でも金貨10枚以上の価値があるよ」

 

俺は、いつの間にか高水準以上の薬剤師になっていたらしい。

 

 

つづく